海事代理士筆記試験 3時限目について
令和6年度の海事代理士筆記試験は9月25日(水)に実施される模様ですね。
受験される方は、是非とも合格されますことをお祈りします。
【令和6年海事代理士試験実施要領】
1.試験日程
(1)筆記試験
令和6年9月25日 (水) 10:15~16:30
(2)口述試験
令和6年11月26日(火) 10:30~17:30
(受験者多数の場合、一部受験者については、同日の17:30以降又は同月27日(水)に実施する場合もあります。)2.試験場所
(1)筆記試験
札幌市 北海道運輸局
仙台市 東北運輸局
横浜市 関東運輸局
新潟市 北陸信越運輸局
名古屋市 中部運輸局
大阪市 近畿運輸局
神戸市 神戸運輸監理部
広島市 中国運輸局
高松市 四国運輸局
福岡市 九州運輸局
那覇市 内閣府沖縄総合事務局
(2)口述試験
東京都 国土交通省(本省)「海事代理士になるには」から引用
この記事は海事代理士資格を受けることを検討されている人や、令和5年度の海事代理士筆記試験で惜敗した人に向けて、私が令和元年度に受けた海事代理士試験についての話を投稿しています。
その令和元年度の海事代理士筆記試験の3時限目について。
この3時限目は(13:00~15:10)という2時間10分の長丁場になります。
(実は、このあとの四限目も2時間10分なのですが)
この2時間10分という時間だけで、もう宅建士のテスト時間を越えてしまっていますね。
越えてはいますが、穴埋め記述・語群選択・〇☓問題と、正解肢のチョイスに、そんなに時間はかからない設定になっていますので、時間を気にすることはなく解いていけるはずです。
とは言えですね、この3時限目は、時間として長く、かつ、科目数も多いので、疲れたと言えば、疲れました。
10点配点の科目が7科目もあります。
7科目目は、今年から組み込まれた「領海における外国船舶の航行に関する法律」も入っています。
3時限目はすべて、10問10点配点の科目ばかりです。頭の中で覚えたことの切り替えが重要になってきますね。
ちなみに私は、3時限目のトータル70点配点で61点の得点でした。
海上運送法(配点10点)
名前の通りこの法律は、海上での運送を規定したものになります。
一口に海上運送と言っても、
と枝分かれした「航路事業」の名称をまず押さえることです。
そして、今度は、その「航路事業」の開始・廃止・運賃について、
押さえていくことです。
「海事代理士合格マニュアル」の海上運送法の冒頭解説部分に、これを一覧した図表がありますので活用するのも良いと思います。
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私は、この表を別の紙に書き出して、さらに過去問と条文から加筆していました。
あと海上運送法については、条文をまとめたものも別の紙に書きだし作成して、ファイルにしていました。
海事六法やプリントアウトしたものの条文を読むだけだと、頭の中でこんがらがってくるので面倒ですが書き出したのです。
この海上運送法は、10問全部が穴埋め記述ですので、漢字の書き取りをしながら勉強した方が
記憶に残りやすいと思います。
ほとんどは「法」から出ていますので、私はテキスト等に鉛筆でガンガン書き込みをするのですが、海事六法の「令」や「規則」のところはキレイなまんまでした。
ちなみに10問中10点でした。
港湾運送事業法(配点10点)
港内での運送業務に関する規定です。
一般港湾運送・港湾荷役・はしけ・いかだなどでの業務と、それらを検数したり鑑定したり検量したりする業務に関する法律になります。
港湾運送は、どちらかというと「規制」する場面が過去に多くあったからでしょうか、罰則が問題になっていたりします。
港湾運送事業者が「下請け」に仕事を振る際は、その引き受けた仕事の70%は自らがやらないとダメなどもあります。
この法律の条文は40条くらいですので、条文の読み込みはまだ楽な方だったと思います。
では、本番のテストの話。
大問1.では、一問中2肢あって、それらが、正正、正誤、誤正、誤誤のどれになるかを答える問題が5問でした。
これ、2つの肢を両方理解していないと、間違うように出来ていますから、あいまいな知識だと正解できないのです。
私はここで、2つ✕になりました。
あとの大問2.は、語群からの選択問題です。
私は10問中7問の正解でした。
内航海運業法(配点10点)
この法律は、国内での海運業に関する法律になります。
国内の事業だからなのか、許可ではなく届出でOKの場面が多かった印象です。
海上運送事業法との絡みが問題となる場合もあります。
「数字」の問題も過去問で行くと毎年出ていて、トン・メートル・日を答えるものです。
配点10問すべてが、穴埋め記述の問題となりますので、過去問の繰り返しと条文の読み込みが重要になります。
条文は30条程度ですし、ほとんどは「法」からの出題ですので、条文の読み込みで対策できます。
私は、配点10点中、8点となりました。
ちなみに、模範解答では「百トン(100t)」のところを私は「100トン」
「三十メートル(30m)」のところを私は「30メートル」としておりました。
「これはさすがに、〇でしょ」ということで、〇にしております。
港則法(配点10点)
こちらは港の中のルールになります。
「法」自体は50条程度ですし、それに条文の前の方に問題にされる重要事項は集まっています。
施行令では「別表第二」というのを覚える必要があります。各県の特定港を、答える問題も過去問でありましたので。
特定港のある地名は、ひっかけ問題が作りやすいです。
例えば、熊本県の特定港は熊本港である:☓、
島根県の特定港は松江港である:☓、となります。
あと、港則法43条を準用するのか、しないのかという、細かい問題もあります。
これは特定港で規定されていることが、その他の港でも適用するのか?という問題になります。
例えば、港長の「移動命令」というのがありますが、43条が準用されると、これは「指定港以外の港」にも適用するということになります。
「する条文」と「しない条文」があってややこしいので、私は別の紙にまとめておきました。
港則法の施行規則は、各港の細かいルールが書いてあるので膨大にありますがほとんど出ません。
基本は、施行規則第一章の通則からの出題だと思いますので、過去問に出てきたところを押さえて対処する方が良いと思います。
- 大問1.は語群選択が7点配点で、
- 大問2.は、正正、正誤の答え方で3問でした。
私はこの港則法は8点となっています。
海上交通安全法(配点10点)
海には、見えないですが航路という地上で言うところの道路みたいなのがありまして、そこを通らなければならないルールがあります。
船はブレーキがないので急には止まれません。一方通行、右側通行、避航することなどが決められています。
また、船があまりに大きい時や危険物を積載しているときの特別なルールも規定しています。
そして、この航路名は必ず覚えることになります。
たまに、その航路での個別のルールも聞かれることがあるからです。
私は、「海事一般がわかる本 成山堂書店」に載っていた各航路の図表で覚え込みました。
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で、問題の方なんですが、
大問1.で、この航路の問題が出まして、速力の制限が全区間であるのは?という細かい問題でした。私は2問中、1問✕でした。
大問2.は語群選択の問題です。
大問3.は、例によって2肢の正正、正誤の問題でした。
この法律では、私は10点中9点でした。
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(配点10点)
こちらは、おそらく多くの海事代理士受験生が、得点しにくいと感じている科目だと思います。
なぜかというと、まず条文の多さです。それと過去問を見ても、問題がいろんな箇所から出されているのです。配点10点なのに。
項目を分けて整理していくしかありません。
を区別できるようにしないといけません。とてもややこしいですw
また、海洋汚染等防止証書という船舶の航行に必要な書類を受けるためには、船舶国籍証書のように中間検査、臨時検査などを受けなければならないことも、覚えます。
ちなみに「概説 海事法規 成山堂書店」にはこの海洋汚染防止法について、詳しく書いていました。「概説」といえども、かなり詳しいです。テストに関係あるだろう部分を、過去問などを参照して自分なりに選び出して読むようにしました。
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あと、条文を抜き出して自分なりの穴埋め問題も作成しました。覚えることが多いのでA4用紙が4枚ほどになりましたw
では、本番の試験問題。
- 大問1.は、語群の穴埋めで、配点5点。
- 大問2.は、〇✕問題。ですので正解率は50%です。配点5点。
法律の量は多いのですが、問題の出され方は易しいです。
私は、この法律は範囲が広く難しいと思っていたので、重点的に勉強したのが功を奏して、
10点配点中10点でした。
領海における外国船舶の航行に関する法律(配点10点)
これは、この年から新しく筆記試験の科目に加わった法律です。
なぜか3時限目に配置されています。
条文数はとても少ないです。海事六法にも掲載してありました。
この新しい科目への対処方法は、私の過去の記事に書いておりますのでご参照ください。
- 大問1.は語群穴埋めでした。配点5点。
- 大問2.は、これも〇✕問題でした。配点5点。
始めて出題されるからなのか、問題は平易な感じがしましてラッキーでした。
私は、この科目は、10点中9点となりました。
海事代理士試験筆記試験の3時限目の7科目についての解説は、以上になります。
次回は、ラストの4時限目の科目について、私なりの解説を書いて行こうと思います!