ビジネスを始める前に100冊読む⑪

ヘレネと労働組合本あいさつ・雑記

この日曜日に、給与計算実務検定2級を受けました。

出来なかった計算問題もありましたが、おそらく7割は取れているだろうと思われます、たぶん。

ミニ社労士試験ともいうべき問題が35問と、電卓使用の計算問題5問(こちらが純粋な意味での給与計算ですね)を2時間でやります。

結構、疲れました。

さて、私が次にやることは、やり残していた社労士になるための事務指定講習の後半部分です。

前半の適用編は2月中に提出して、修正を加えていただいたモノが戻ってきていますが、まだ見直しが出来ていない状態です。この適用編の見直しもしなければなりません。

やり残している後半の給付編は、設問の登場人物の氏名や住所・各種ナンバーなどのとりあえず頭を使わなくても埋めていけるところだけ、さらっと、先に書いて済ましました。

また、初めからちゃんと設問を読んで、調べて、取り組んでいかなきゃです。

 

で、本題の「100冊読む」、前回は労働基準監督署に関するものを2冊あげました。

今回は、労総組合について書かれている本を取り上げています。

労働組合は、企業がもし100%労働者に法令順守で向き合っていて、賃上げにも前向きなら、社労士としてはあまり関係してこない組織だと思いますが、そうはいかないのが現実問題としてあります。

今回はその労働組合に関する3冊になります。

知らないと損する労働組合活用法|水谷研次・鴨桃代著、宮里邦雄弁護士監修|東洋経済新報社

 

連合にいた人、ユニオンの人がお書きになって、弁護士が監修している本になります。

労働組合活用法となっていて、労働者の救済のためにどのように労働組合が関与するのかが書かれています。

中身的には、労働基準法、労働組合法といった憲法から導き出されたいわゆる強行法規を駆使して、団結する労働者の救済を図ることになっています。

労働者が泣き寝入りすることが多い日本の労働環境にあって、労働組合の組織率が下がってきているのは、ますます労働者が損をする可能性のある環境になってきています。

とはいえ、企業が法令を遵守するのは当然なのですが、もう「死に体」の企業や、立ち上げたばかりの企業、古い時代に作った大企業の就業規則を真似たモノを持つ企業などが、労働者の要求通りを叶えてしまうと、立ち行かなくなるのもわかります。

そのあたりの折り合いを、行政や司法が関わってくる前段階に、労使の話し合いでソフトランディングを模索する労働組合が必要になってくると思われます。

ストライキ2.0|今野晴貴|集英社新書

 

「ブラック企業」という言葉は、もともとはネットの掲示板2ちゃんねるで出てきたらしいですね。そのあと、ブラック企業について本を書かれたのがこちらの著者のようです。

その分野ではけっこう有名な人で、ネットのコラムなどで、よくお名前を見聞きすることがあります。こういったNPOの人たちが、困窮した労働者に手を差し伸べて、ブラック企業をあぶりだして糾弾する活動は、本来は行政がやるべきことなのですが、始めに、そこまで気が回らないのは日本の行政の常ですので、こういう活動の人たちには、その意味では頑張っていただきたいと思います。

この本では、ヨーロッパでのストライキの数と日本の比較して、もっと日本の労働者はストライキ、労働運動にかかわるべきだとしています。

本の帯に「ブラック企業がなくならないのは、ストライキしないからだ!」とあります。

私が子供のころに、国鉄のストが行われていて、朝の情報番組でストの成行きが流れていたのが思い出されます。それからは、実感するストライキは私は知りません。

この本でも、新しい形でのストライキを起こさなければならないと主張されています。その意味も込めて「2.0」とされているようです。

著者も感じておられると思いますが、従来型の労働組合は権力を持ちすぎて、末端の本当に困窮している労働者の声が届きにくくなっています。

そもそも、自分の組合の組合員でない人間のことは、ノータッチです。

多くの労働組合に加入していない労働者は、既存の労働組合に対して、白けた感情をもっています。

その理由、例えば、

上部組織の幹部が企業内でも組合内でも、権力を持ちすぎて「労働貴族」という言葉までできて、本来の意味での存在が歪んできたこと。平等を謳う組織の矛盾ですね(この場合は、企業側の懐柔作戦にしてやられているのですが)。

また、労働問題に特化してくれれば、労働組合への手伝い甲斐もキープできると思うのですが、多くの時間に政治問題を扱うこと、例えば、米軍基地反対運動や原発反対運動などに関わりたくないのです。なんなら、基地賛成、原発賛成の労働者もいるのですから。

そして、多くの労働者は、自分の周りにある労働問題ならまだしも、遠い場所でのイデオロギー闘争に自分の余暇時間は使いたくないのです。

 

大規模な労働組合の活動は今後も難しくなっていくと思われます。

著者も指摘しているように、地域のユニオンでの小規模な組合活動で労働者の救済を図っていくことが現実的かなと思われます。

あと、余談ですが、社会活動系の人たちはどうして、少しでも考えが違うと、けんか別れの分裂を繰り返してしまうのでしょうかね。政党も、労働組合も、学生運動も。

オルグの鬼 |二宮誠|講談社α文庫

 

タイトルの意味が分からなくてもセンセーショナルな言葉の羅列ではあります。

中世ヨーロッパの怪奇談だと言われても「へぇ、そうなの」と言ってしまいそうなタイトルです。

「オルグ」という言葉を始めて知りました。

意味は、オルガナイズ=組織化、または、オルガナイザー=組織化する人ということらしいです。

この本の著者は、地方で労働組合がない企業に目星をつけて、社員と知り合って、その会社に労働組合を組織化させるという、専門の労働組合専従者だった方です。

昭和の中期ごろ、労働組合の隆盛期のころに、全国を回って、労働組合の立ち上げに関与してこられたようですね。

今の時代では、いくら労働組合の組織化のための活動だからといって、やり過ぎは労働者の感心を得られるものではないと思われます。

そういう時代にそういうことをやってきたという回想録としての読み物としました。

この著者が自らが、この本のタイトルで自分自身のことを「~の鬼」と言ってしまっているのなら、個人的にはちょっと、アレかなと思います。

一つ面白かったことは、企業の経営者でも自らが労働者に働きかけて、または、労働組合に連絡を取って、自社に労働組合を作るように働きかける人もいることです。

東京の多摩地区のスーパー旧たいらや=現エコスがそうです。

一般的には、経営者にとって労働組合は頭の痛い存在だと考える人が多いですが、こちらの社長は「労働者の要望・本音をまとめて知らせてくれる相手方」が欲しかったようです。

つまり、労働者のモチベーションを向上させる役割を担う仲間としての、労働組合の存在を望んだようです。

こういう労使の関係・考え方が、広く日本の企業で取られれば、法律うんぬんの前に、平和的・融和的な話し合いで、企業の発展につながるのではないかなと思いました。

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