資格の攻略は「敵を知り己を知れば百戦危うからず」から
資格試験は、難易度が上がれば上がるほど、ある意味、「三国志」とか「信長の野望」とかの、戦略ゲームに通じるところがあると私は思っています。
戦略ゲームで例えるなら、自国の国力がまだ乏しいのに、隣国に、向う見ずに攻め込んでも勝ち目はありません。
他国の情報を集めつつ、自国の田畑を耕し産業を興して人口を増やして兵を募集し、そして鍛える。
自国はあなた。隣国は資格試験そのもの。自国の人口は勉強の量。「鍛える」は問題演習です。
資格の難易度が上がれば上がるほど、それ相応の事前の情報収集と戦う準備が必要となってきます。
今のインターネットの広がる世界では、対象の資格の情報や問題演習は、たくさん手にすることはできます。それも無料で有益なものが得られます。
たとえば、社労士試験であれば、資格学校の配信しているブログ例えば「大原の時間の達人・社労士ブログ」や、行政書士試験であれば、無料で過去問を出している「合格道場」などです。
簿記試験では、YouTubeに多くの先生が動画で解法を説明してくれています。
ただ、一つ注意が必要なのは、情報収集の際に、資格不要論者の意見を掴まないことです。
受験希望の段階、まだ受験の決意が定まっていないときは、しんどいかも?難しいかも?という気持ちが、ネガティブな意見に流されやすいです。
某巨大掲示板でも、受験者の体験談や苦労話も得られることはあります。
ですが、掲示板のある意見は「玉石混淆」です。
新たな受験者の気持ちを、低下させる意見もたくさんありますので、注意が必要です。
なので、それらの意見を、鵜呑みにしては、モチベーションが下がることが危惧されますので、掲示板等からの情報収集は、ほどほどにしておくのが吉です。
ご自分の今の生活から、捻出できる時間、捻出できるお金、ご自分で今現在把握している能力(脳力)、将来的にやりたいことなどを、総合的に判断して、受ける資格試験を決められると思います。
そもそも、自分の受けたい資格に「受験資格(学歴、実務経験、視力など)」による選別があるなら、それらに適合しないときは、受けることも出来ません。

孫子
受けたい資格の勉強時間を把握する
ネットでは、多くのサイトから、その受けたい資格の「目安の勉強時間」がわかります。
ですが、その目安の勉強時間は、サイトによって、まちまちです。
自分は資格試験を受けていないのに、ブロガーなどが、他の資格予備校や他のブログを参考にして、「適当」に書いているものもあります。
資格予備校の出す勉強時間の目安では、「商売上の恣意的」も入っていると思います。
というのは、資格予備校は、その受講生の中の「一発合格者」の中で、特に優秀な人をあたかも目安として出していると想像できます。
少ない勉強時間で「受からせているウチの勉強システムはいいよ」ということを、これから受験を考えている人たちに向けて、アピールしているのでしょう。
ですが、宅建や行政書士、社労士の試験では「これで何回目の試験」の受験者の方が、圧倒的に多いのです。
この3つの資格では、だいたい8~9割近くの人は、涙を飲みます。
圧倒的多数のそういう人たちのトータル勉強時間は反映されていません。
ですので、下記にあります勉強時間の目安は、資格学校に所属している中でも、一年目で特に優秀な人の「最低時間数」と考えておくのが、私も含めて「凡人」には良いです。
私がそうであるように、「自分は凡人だな」と自己分析されるのなら、以下の目安の1.25~1.5倍くらいの勉強時間を確保できる環境に持っていくのが、凡人として戦略的によろしいかと思います。
たとえば、通信教育A社
日商簿記2級 250〜300時間
FP2級 350時間
宅建士 400時間
行政書士 500〜600時間
中小企業診断士 社会労務保健士 1000時間以上通信教育B社
簿記3級 50時間以上
簿記2級 100時間以上
行政書士 1,000時間
FP3級 80~150時間
FP2級 150~300時間公認会計士専門予備校
弁護士(予備試験) 6,000時間 3%(合格率)
弁護士(法科大学院) 6,000時間 40%
公認会計士 3,000時間 10%
司法書士 3,000時間 3%
税理士 2,500時間 10%
社会保険労務士 1,000時間 7%
日商簿記1級 800時間 10%
行政書士 600時間 7%
宅地建物取引主任者 400時間 15%
日商簿記2級 250時間 30%大手だけど手広くビジネス展開のC社のコメント抜粋
宅建 平均して500時間ほど勉強したケースが多く、少ない人では最低100時間程度の勉強で合格することもあります。よく素性が判らない資格ブログ
宅建 初学者で200~300時間の勉強時間 経験者になると100時間の勉強時間ネット講義のF社 社労士試験800~1000時間 最低でも500時間 宅建200~300時間
私は、私自身が、独学・一発で、宅建を500時間未満で、社労士を1000時間で受かるとは思いません。自分の中で理解への納得感の出るまで、この時間では足らないと思うからです。
余談ですが、私はブログの勉強をしようと他の皆さんのブログを拝見したりするのですが、士業を開業してなさそう、もしくは、合格者でもなさそうな人が「行政書士です」「宅建士です」と名乗って、通信講座に誘導している人がいるような雰囲気を感じました。
私自身がその「〇〇講座」に恨みがある訳ではありませんよ。
むしろ、ユーチューブなどで無料のミニ講座を配信されているところもあり、勉強させていただいたものです。
そういう素性のわからない人のブログの構成や書き方が、とても上手なのは認めます。
しかし、合格した証しの断片も見るとこが出来ないので信頼性がないというかなんというか。
実際、多大な苦労をして試験に合格された方や、もう実際に開業されている先生たちの文章や画像には説得力があります。
話を戻しまして。
通信教育B社の簿記2級100時間以上も、そうとう少ない感じがします。
私は今、簿記3級しかもっていないのですけど、2級の受験を見すえたとき、とうてい100時間で受かる気がしません。
300時間以上とわたしの場合は、見積もっておくでしょう。
勉強時間を決めていつから一日どのくらいやるかを、逆算して考える
たとえば、宅建士資格試験。
上記の目安を参考にして、ご自分で、400時間くらいが妥当な時間数だと思っていたのでしたら600時間くらいみておく。500時間なら750時間くらいですね。
ちなみに私は、宅建を受けたときはここまで戦略的に考えていませんでした。
でも、結果的にトータルで600時間以上は、勉強したと思います。
勉強時間を把握し決めたら、資格の試験日からさかのぼって、いつからはじめるのか、一日何時間しなければならないのかがわかります。
それでは宅建の試験で、続けましょう。
勉強時間は600時間と暫定的に決めておきます。
すると、一日何時間勉強しなければならないのかが、今あなたのいる、この時から計算できます。
宅建の試験日は例年10月の中頃です。
- 一日2時間の勉強時間なら月30日として、60時間/月。ですのでだいたい10カ月前からやり始めることになります。
- 一日4時間なら、その半分の期間の5カ月ですね。
- 一日8時間なら、さらにその半分の2.5カ月となります。
ちなみに、記憶の定着と、普段の生活との両立、不意の用事によるストレス回避などを考えると、期間が長い方が有利です。
でも、あまりに一日の時間が少ないのもだめです。一日1時間だと600時間をこなすのに、20カ月かかるので、一発合格がそもそもできませんし。
繰り返しの学習にはある程度の期間が要ります。
短期間にはじめから飛ばして、一日たくさん勉強しても、脳みそがそう都合よく理解してくれませんし、忘れるのも早いです。
繰り返すのもタイトスケジュールだと「あの科目やって、この科目もやらなきゃ」と大変になってきます。
なのでスポーツや筋トレと同じですね。
短期間たとえば一日トレーニングを10時間とか14時間とかやっても、スポーツ技術や筋肉がホントの意味でつくわけではないです。
持続しない表面的なものは付くかもしれませんが、やめるとすぐに剥がれ落ちてしまいます。そもそも、短期間のハードトレーニングは、体にも悪く怪我しやすいです。
それと同じことで、勉強も慣れないうちに一日に8時間もしていると、ストレスフルな生活になって、不意の用事や体調の悪化で勉強できない日があると、もう別の日にリカバリーするのか辛くなってきます。
そして、辛くなるとダークサイドの影が近づきます。挫折ですね。
なので、お勧めは、すこしづつコツコツやった方が良いです。
次第に勉強時間も増やしていきましょう。脳にもやさしいですし、結果的に合格が近いと思います。
勉強のスケジュールは、テキストの目次などとにらめっこして、考えていくことになると思います。
途中途中、軌道修正もあると思いますが、最終的に、テストの直前に間に合わせるように持っていく感じです。
個人的には、宅建の試験の時間でしたら、朝に1時間、隙間に1時間、夜に2時間の計4時間で5カ月コースが、やりやすいかなと思います。
そして、この自分の立てた目安時間と一日の勉強時間は、極力守るようにしましょう。
まあ、人間ですから、いろんなことがありますので、100%守ることは難しいかもしれませんので、極力。