小型船舶の操縦資格を持っている人が、セットで持っておきたいのは、この海上特殊無線の資格になります。
私は過去に2級小型船舶を取得しましたが、実際に操船することないペーパーライセンスです。しかし、今後、何があるかわからない世の中ですから、関連する資格は取れるときに取っておくほうがベターだと思いました。
私は、この海上特殊無線の資格は、いつかは取ろう取ろうと思っていまして、今ようやく受けることになりました。
私が受けたのは、CBT方式になった第二級海上特殊無線技士資格試験です。
このCBT方式は、試験の結果が受けた直後にわかるようになっています。
試験が終わると紙を一枚くれるのです。
確定ではないのですが、ほぼほぼその通りの結果になるでしょう。
で、私の受験結果は、満点の120点でした。
以下では、私の二級海上特殊無線技士一発合格の勉強方法と使用したテキストなどを述べていきたいと思います。文系出身の皆様も、ドラえもんの暗記パンさながら、とにかく記憶して、是非とも一発合格を目指していただきたいと思います。
第二級海上特殊無線技士のCBT試験
私が受けた海上特殊無線は、二級です。二級三級の試験は、今年からCBT試験なので、受けたいときにお住まいに最寄りのテストセンターで受けることが出来ます。
なお、一級は、試験地が限定されていて、年3回の開催となっています。
私は上記の試験地であるメイン都市に住んでいないので、一級を受けるとなると新幹線での移動になり、お金か掛かってしまいますし、私の持っている小型船舶の資格は2級(沿岸、国内用)ですから、二級海上特殊無線で十分でした。
因みに、小型船舶も1級ならば、無線も一級を取ることが必要かと思います。一級海上特殊無線の試験には、英語の試験もあるようですね。
CBT試験は、テストセンターがお住まいの地域にないときは、近隣の大きな町にあるとおもいます。多くは、何かの民間学校(パソコン教室、資格学校など)がこのCBTの試験会場を併設していると思います。私の受けたCBTテストセンターは、県庁所在地にある看護学校への試験対策教室でした。
私が受けた第二級海上特殊無線技士のCBTテストは、一応13:30からになっていました。私は13時過ぎに、会場に着くとすぐに受付と注意事項を受けました。
なので、厳密に13:30からテスト開始ではないのです。
ロッカーに不必要なもの(鞄、時計、筆記用具など)を入れ、パソコンの前に座ります。時計もダメなのです。
その気になる時間は、試験が始まるとパソコン画面に、試験時間が大きく表示されると思いますので安心して下さい。
持って入れるのは、受付の時に、一枚の白地の紙(計算用紙)とボールペンを一本。あと、受付票みたいな紙とロッカーの鍵。それと、耳栓を渡されました。
席の周りには、何の試験を受けているのかわかりませんが、数人が試験を受けていました。
全員が同じ時間、同じ内容の試験を受けているわけではないのが、CBT試験の面白いところです。
普通の資格試験のテストのように、ギリギリまで参考書を眺める時間はありませんので、CBTテストセンターに入る前に、ざっと不安な箇所に目を通しておくのが良いですね。
第二級海上特殊無線技士の難易度・勉強時間
私は、文系出身で、加齢により記憶力がどんどん低下しているのですが、この二級海上特殊無線技士ならば、なんとか対処できる問題でした。
過去問は、どんな資格試験でも最重要な勉強教材ですけども、海上特殊無線においては、超重要になってきます。
といいますと、ほぼ過去問と同じ、又は、ちょっとだけ文言や聞き方を変えただけの問題が出てくるのです。
第二級海上特殊無線技士の難易度
資格の難易度的には、資格サイトでいくと、5段階のうち、下から2個目のやや優しい部類に入っています。とは言え、無勉強では受からないでしょうし、ある程度の対策と時間をかけないと受験費用がもったいないことになりそうです。
近年の合格率は、80%を超えるものになっています。ほとんどの人が受かる試験です。これからみても、やや優しいというのは間違いではなさそうです。
感覚的に言えば、昔に受けた危険物乙や消防設備士よりも、分量は少なく簡単な試験だと思います。
第二級海上特殊無線技士の試験内容
試験の内容は、1問5点の配点で、法規12問、無線工学12問の計24問です。
つまり、60点、60点の120点満点ということですね。
法規12問、うち8問(5点×8問の40点)が、○でないといけません。つまり、足きりがあるんですね。
同じく、無線工学も12問、うち8問以上で合格になります。
文系の頭の人には、法規は大丈夫だと思います。テキストを読んで過去問にあたれば、そう難しく感じないはずです。
問題は無線工学の方ですね。テキストは平易に書かれているとはいえ、文系脳にとっては、電気のオームの法則や電力から始まり、よくわからない「式」があると、理系アレルギーを感じてしまうところです。
この場合、とにかく、過去問をそのまま覚えるようにしてください。始めは「なにのことか、さっぱりわからない」と思いますが、それでいいと思います。
過去問は、「電波受験界」というサイトに、令和2年2月分から、令和5年2月分までの、全9回分の過去問が掲載されています。(CBT試験が導入されてからの過去問は無いのです。仕方がありません)
とりあえず、この掲載されている過去問の無線工学の試験の内容に目を通すことですね。
私は、この電波受験界の過去問を法規・無線工学の両方をプリントアウトしました。
そして、このプリントアウトした過去問に載っているテーマを、テキストで見るということをしました。
第二級海上特殊無線技士のテキスト|オーム社|やさしく学ぶ 第二級海上特殊無線技士
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私が購入した第二級海上特殊無線技士のテキストは、オーム社が出している「やさしく学ぶ 第二級海上特殊無線技士試験」でした。
選んだ理由は、このテキストは、第二級海上特殊無線技士に特化しているので薄い(全173ページ)のと、アマゾンでの評価が良かったからです。
過去問を回しながら、わからないところはこのテキストの該当箇所をみるというやり方です。
因みに、私はなぜか初版のやつを買ったようですが、改訂2版が出ていますので、新しいものを買った方がいいでしょう。
第二級海上特殊無線技士の勉強時間
正月を挟んでおりましたし、タイマーを使って時間を図っていませんので、きっちりとした勉強時間は出ないのですが、30時間くらいかなとおもいます。(だいたい2時間×15日。日での変動あり)
試験日の前日と前々日は、学生の頃の中間・期末試験のように、頭に問題をそのまま記憶する「エア暗記パン」をむしゃむしゃ食べています。
はっきりいうと、テキストの内容の一部は、そもそも理系の頭がベースに無いとよくわからない事も書いてあります。それらは無視して、かつ、過去問を信じて、過去問の問題文と「図」をそのまま「図」として脳に覚えることにしました。それでも十分に対応できる試験です。
第二級海上特殊無線技士の無線工学の問題
無線工学の1問目(法規からあわせると13問目)は、過去問では、抵抗の計算問題、または、消費電力の計算問題、合成静電容量の計算問題になっています。
あと、無線工学の7問目(法規からあわせると19問目)にも、波形の変調度を求める計算があります。
数値が変わるので、嫌々でも計算方法は覚えてしまうしかないですね。でも、そんなに難しくはないので大丈夫です。
抵抗の問題
令和4年6月期。並行の抵抗を求める問題ですね。
抵抗は直列なら単純に足し算になりますが、
並列ですと、分母を足し算、分子を掛け算して出します。
上記の問題は、72+24が分母、72×24が分子。つまり、
96ぶんの1728になりますので、1728÷96で、18となります。
令和4年2月期にも、20kΩと5kΩの並列抵抗を求める問題が出ました。
(20×5/20+5、100/25で4となります)
消費電力が何倍になるかの問題
因みに、テキストでは電圧Eを2倍にすれば消費電力は何倍になるかという問題が載っています。これは、単純に、電圧が2倍なら消費電力は4倍、電圧が3倍なら消費電力は9倍、電圧が1/2倍なら消費電力は1/4倍というのが載っています。
令和2年10月期の問題です。
前提として、P=電力、R=抵抗、E=電圧をまず記憶します。
P=E²/R をとにかく記憶します。
この問題ですと、Rが2倍になるわけですから、
P=E²/2R となりますね。で、この2Rの2は、外に出すと1/2となります。
1/2 ×E²/R ですよね。
つまり、1/2倍となるわけです。
令和4年10月期には、抵抗Rの値を3倍にすると、消費される電力は何倍になるか?という問題でした。
P=E²/Rをつかうと、
P=E²/3Rとなりまして、3Rの3を外に出すと、1/3となります。つまり、1/3倍という訳です。
電波受験界の過去問9期のうち、この消費電力の問題は無線工学の1問目で、なんと5期も出ていますね。
そのうち、「電圧を何倍にしたら」が2問、「抵抗を何倍にしたら」が3問です。
静電容量を求める問題
この静電容量の計算問題の解き方は、もしかしたら改訂2版には載っているかもしれませんが、初版のテキストには載っていなかったです。なので、ネットで検索してわかりました。
あと、テキスト上のコンデンサの解説に出てくる式など(試験には出ない)は、文系の私にはチンプンカンプン。
ですけども、問題の解き方は簡単です。
抵抗の求め方の「逆」と覚えればいいのです。
抵抗は、直列では単純に足し算、並列では分母を足し算・分子を掛け算でしたね。
この直列、並列を「逆」に計算するのです。
上記の問題ですと、
5μF+15µFで、20µFが、並列部分。並列ですけど、単純に足すのです。
で、この20と、30µFを、抵抗の並列の時の求め方でやるのです。
つまり、20×30/20+30となります。600/50となりまして、答えは、12となります。
令和5年2月期にも、この合成静電容量の問題が出ました。
計算自体は簡単ですので、文系の人も頑張って覚えましょう(CBT試験で今後もこれらの計算問題が出るかどうかは誰にもわかりません。因みに、私が受けたときは、抵抗の問題が出ました。)
変調度の求める問題1
私は、テキストを読んでも、この辺りの内容は、よくわからなかったです。しかし、計算問題が出るので、計算方法を覚えて対処するしかないのです。一見、難しそうですが、計算は簡単ですので、覚えてしまいましょう。
まず、令和3年6月期の問題。
この「壺」みたいなのは、2つの電波の図形のようです。
要点は、この絵の上で、ボルト(V)は、壺の半分にだけ幅が書かれています。
で、計算は、大きな波の30から小さく細かい波20を引きます。30-20で10ですね。
そして、10/20×100となって、50%が答えになります。
大きい波から小さい波を引いて、そして小さい波で割る。さらに100をかけて%とする、です。
つまり、この壺の半分だけにボルトが載っている問題は、30-20/ 20 ×100=50%です。
令和2年2月期には全く同じ問題が出ています。
ちなみに、令和4年度2月期には、変調度が70%とわかっていて、大きな波のボルト(V)を求める問題がでました。(小さい波は120Vです)
70=A-120/120×100となりまして、A=204v となりました。
変調度を求める問題2
こんどは、壺の半分だけでなく、全体にボルトの幅が書かれている問題です。
この全体にボルトの幅の図がでたら、上で説明した計算方法ではなく、
分母は足し算、分子は引き算、と覚えるのです。
分母は、40+10、分子は、40-10
つまり30/50に100をかけて、60%となるわけです。
理屈はよくわからないのですが、計算式は簡単なので、記憶しておきましょう。
過去問9期分のうち、この壺の問題が4期出ています。式は、壺半分にボルトと、壺全体にボルトの、2パターン。
試験が終わったら、すっかり忘れてしまうと思いますが、がんばって覚えてしまいましょう。
まとめ|第二級海上特殊無線技士CBT試験
コロナの影響もあってかCBT方式が進んだおかげで、田舎に住んでいても比較的資格試験が受けやすくなりました。これは、いい事だと思います。
これからもっと多くの資格試験がCBT方式を採用してくれたら、田舎に住んでいる人の経済的負担が軽くなり、資格試験を受ける人も増えるんではないかなと思います。
第二級海上特殊無線技士資格は、数ある無線の資格の中の一つで、難易度は低く、主に、漁船や釣り船、プレジャーボートを操縦する人には不可欠な資格です。
特殊というのは、小型の意味みたいですね。○○通信士というのが上級の資格になるようです。
陸上にも特殊無線技士資格はあります。タクシーや救急車の配車には必要になってくる資格です。
機会があれば、第一級海上特殊無線や陸上の特殊無線の資格にもチャレンジしてみようかなと思っています。
追記:第二級海上特殊無線の免許申請の流れ
1月7日にCBT試験を受けたのち、1月12日に、公益財団法人 日本無線協会試験部からメールがありました。
結構早いですね。
その文面に、ダウンロード形式で、試験結果通知書がありました。
さらに、お住まいの地方を所管する総務省の地方総合通信局に
国家資格なので、仕方がないのですが、申請方法は従来型のアナログなやり方です。
住民票の写し、1750円分の収入印紙、3×2.4の写真、そして、免許証を入れる返信用封筒でした。
つまり、申請書類を作るのが、役所等をハシゴして、少し面倒な感じです。
でもまぁ、CBT試験を受けてから、約一か月で、免許証のカードが送られてきましたので、全体で見れば早くてよかったと思います。
届いた免許のカードには、うっすらと、ホログラムシールが中に挟まっているようで、富士山に桜が舞う風と、手前に樹木と海があって、なかなか風流な感じでした。
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