今年、令和6年5月19日に行われた測量士補試験を受けてきました。
3時間という長い試験時間でしたが、最後まで残らないと問題用紙が貰えないというシステムだそうで、お手洗いのことも気になっていましたが、なんとか3時間こなせました。
私事ですが、中学のときには既に数学に苦手意識を持っていたのに、高校は私立の工業大学の下部にある高校に行っていました。(大学と高校は、あくまで同じ学園であって、付属ではないということでしたが)
高校一年のときに、部活の朝練の疲れをとるためには、授業中は寝て体力を回復させなければなりませんw
苦手意識のあった理系科目は、とてもよく寝ることが出来ましたw
高校二年生では、理系の学園なのに、文系コース(スポーツ学生と理系落ちこぼれ学生のクラス)に行ったので、皆さんが高校で勉強した難しい数学、微分積分など、私は知りません。数学Ⅰの中に、それらの簡単なものがあったのかもしれませんが、それさえよくわかっていません。
そんな私が今回、測量士補の試験を受けようと思い立ちました。
理由の一つは、若かりし頃に持っていた、理系科目に対する苦手意識を、今頃になって払拭しておきたいと思ったのです。これは、あまり合理的な思考ではないと自分でも判っています。なぜなら、苦手なものを克服するより、得意なことを伸ばす方が、伸び率は高いし、なにより、楽しいですからです。
しかし、測量士補の試験(と多分、第2種電気工事士試験)までが、文系頭の私のMAXなテストであろうと考え、やるなら脳ミソがまだ生きている早い方が良いと思いましたので。
それと、測量士補に受かると、8士業のひとつの土地家屋調査士の試験において、午前中の科目が免除されるようなのです。土地家屋調査士を将来的に狙える能力・脳力があるのかどうかは、この測量士補の試験をクリアしてからの話になりますが、とりあえず、この測量士補に受からないと先に進めないのです。
あと、今年の1月に、二級海上特殊無線技士を受けたときに、難易度の低い理系の試験は、公式をとにかく覚えて、数字を当てはめれば結構イケるのではないかと、安直に思ったからです。
二級海上特殊無線技士に比べると、測量士補の試験問題は難易度は高く、文系の私にとって、大きな壁だったのですが、これも、基本の公式を覚えて、手での筆算を落ち着いて正確にすれば、案外イケるかなと思った次第です。
さて、本題の測量士補試験。法規や文章問題は、文系の人は得意のはずですのでこのブログでは割愛して、測量士補試験の計算問題について書いていきたいと思います。
まずは、簡単に測量士補試験の概要から見ていきたいと思います。
追記:令和六年測量士補・試験合格証書が届きました
証書が届くまで、自己採点で25点/28だったとしても、本当に受かっているのかやっぱり落ち着かないですね。
これで、このブログ記事の信ぴょう性を出すことが出来ますw
あと、証書の紙質は悪くないのですが、三つ折りなんですね。
因みに、令和6年度の受験者数、合格者数、合格率は、以下の結果だったようです。
測量士補試験の概要・難易度・科目など
測量士補試験の概要
例年、測量士補の試験は、5月の中頃に行われます。年に一回しか開催されないのと、5月試験日なのに申込みが1月中なので、うかうかしていると申込みができなくなりますので注意が必要です!
試験の形式は、マークシートで、5肢択一式ですね。
問題の数は、全部で、28問です。一問25点計算で、700点満点。
そのうち、450点以上で合格となります。
つまり、450÷700×100 とすると、64%取れば、合格ですね。
なので、28問×64%で、18問以上正解すればよいのです。
そして、文系の皆さんの関心の高い計算問題ですが、例年28問中、10問出題されてしまいます。
もし、文章題を100%答えることが出来れば、測量士補試験は合格することは出来ますが、計算問題を捨てるのはあまりに無謀ですので止めておきましょう!
文系で、測量などの実務経験もなく、まだ合格通知を受けていない私が言うのもアレですが、文系出身者でも少し過去問題をやり込めば、解ける計算問題ですので、本番でなるべく半分以上解けるように、頑張っていきましょう。
計算問題で5つ、文章問題で5つ、間違ったとしても、合格できるのです!
測量士補の難易度
よくある資格のサイトでは、難易度は、5段階評価で、下から2つ目の「やや易しい」の部類に入っています。
勉強時間も、およそ200時間とありました。一日2~3時間の勉強時間で、だいたい2~3カ月が目安というところでしょうか。
ブログ等で極端に勉強時間の短い人も中には居るみたいですけど、文系出身の人は鵜呑みになさらない方が良いと思います。
勉強時間や体感の難易度は、受験者のバックボーンで大きく変わってきます。すでに実務をされている方は、200時間よりも、もっと勉強時間は短いでしょうし、数学がチンプンカンプンだけど資格を取る!と言う人には、基本の数学を勉強する必要が出てきますので、違ってきて当然なのです。
で、この試験は、18問以上の正解で合格する絶対評価の試験です。
年度によって変動しますが合格率は30~40%くらいですが、絶対評価なので、6~7割の人が落ちるなどと、気にすることは無いと思います。
まあまあ低い合格率なのは、単に勉強時間の少なかった受験者が多くいるということだと思います。
そして、あくまで敵は、自分自身と過去問と言うことになる試験ですね。
文系出身の人は、数学を思い出したり、勉強し直したりすることになると思いますので、なるべく時間的な余裕を見て、この試験に当たったほうが無難かなと、思います。
測量士補試験当日の話
この測量士補試験では、電卓は使えません。
実に面倒くさいのですが、小数点を含む4桁の足し算や掛け算をやることになります。でも、時間と根気さえあれば、文系の皆さんでも、この四則計算は大丈夫だと思います。
あとは、問題用紙に計算できる十分な余白はあるのか?という疑問がありますよね。
その答えは、前の試験問題の裏面が一面使えるという風になっています。問題と右手がクロスして、解きにくいのはありますが、余白は十分にあります。
私は、他人の鉛筆のカタカタ音が、気になる性質なので、耳栓をしたかったのですが、受験案内に「耳栓は使用できません」の文字がありました。残念でしたが、仕方がありませんね。
あと、重要なことですけど、最後まで残らないと問題用紙が貰えません。やはり、自己採点は必要な作業と思います。
ですので、私の試験の時もそうでしたが、多くの人は解き終わって、時間経過を黙って待つ、ということになると思います。
測量士補の計算問題の科目
測量士補の試験では、全部で、8つのカテゴリーから出題されます。そのカテゴリーでは必ず1つ以上の計算問題が出ていますね。以下に羅列しますと、
(過去10年のうち、2年以下しか出ていない課題のものは、ここでは割愛します。試験当局がたくさんの年度に出題させている問題を確実に解く方が、効率は良いわけですから。()内の回数は10年中、何回出たのかです)
- 法規(のうち、測量の基礎数学5回)
- GNSS測量(Global Navigation Satellite Systemの略。衛星測位システムのこと)(のうち、基礎解析6回)
- 多角測量(のうち、高低角の観測3回、光波測距儀の測定誤差3回)
- 水準測量(のうち、レベルの点検と調整4回、標尺の補正4回、往復観測の較差(かくさ)5回、標高の最確値5回)
- 写真測量(のうち、撮影高度と縮尺8回、比高による写真像のずれ3回)
- 地図編集(のうち、緯度・経度7回)
- 地形測量(のうち、トータルステーションによる等高線描画8回、細部測量4回、数値地形図データ3回)
- 応用測量(のうち、路線測量10回、用地測量10回)
初めての人には、なんのこっちゃの話だと思いますが、テキストや過去問に触れていくと「あぁ、この話ね」とすぐに慣れてきますので、大丈夫です。
試験の攻略としては、過去10年間にたくさん出て来た論点の問題から、こなしていって、解き方が判った論点を計算間違いで、取りこぼしがないようにするのも、大切な作戦だと思われます。
独学で測量士補試験を受けるためのお勧めのテキスト・問題集など
測量士補試験の過去問題の過去5年分は、この試験の親玉である国土地理院のホームページからダウンロードできます。右側が測量士補ですね。
因みに、合格率も掲載されています。だいたい30%~45%あたり。でも、18問以上取れば合格の絶対評価ですので、合格率はそこまで気にしなくて、とにかく、安全圏の20点以上を目標に勉強を頑張りましょう。
私は、これをプリントアウトして、書き込めるようにしました。タダですし。
測量士補試験のために、私が購入したテキストと問題集
まずテキストですが、こちらの成美堂出版から出ている「いちばんわかりやすい測量士補 テキスト&問題集+予想模試」を買いました。理由は「いちばんわかりやすい」と書いてあったからです。
まず、わからなくても良いからザっと、数ページ目を通します。判らないことだらけで、ちょっと辛いですけど、とにかく慣れる練習だと思って頑張りましょう。
そして、その読んだところの論点の箇所の過去問を見てみます。まだ、当然、解くことは出来ないですが大丈夫です。更に理解したくなったら、YouTubeで検索すれば、解説してくれているチャンネルがありますので、それを見るのもいいと思います。
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そして、過去問題集は、日建学院の「測量士補 過去問280」です。
過去10年分を網羅しているので、この問題集で、十分かなと思いました。(解説が、テキストと問題集で、異なる解き方が書いてあったりします。測量士補の計算問題とくに図形の計算は、解き方はいろいろあるみたいなので、ご自分が解きやすい方を覚えるしかありません。なるべく公式を覚えないようにしたいところですが、手っ取り早く、公式で解いた方が断然手間がかからない場合もあります)
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当日の試験会場では、赤いテキストを持っている人がたくさん居ました。その本は、こちらですね。
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イラスト入りで解りやすそうなのですが、アマゾンのレビューでは誤植が多いと有りました。もしかしたら新しい版が出るのを待った方が良いかもしれませんね。
全くの文系の人は、マンガから測量の世界を触れてみるのも良いと思います
測量士補の試験は、全28問。例年18問が文章問題です。これらは、測量のルールを聞いてきます。
計算問題の攻略も必要ですが、並行して、文章問題の対策もしていかないといけませんね。
まずは、測量という作業内容に触れる事で興味を持たなくては、無理やりの勉強も辛いモノになってしまいます。
測量の文章問題がわかってきたころには、計算問題と土台の知識とリンクしてきて、辛くなくなってくると思いますよ。
そういう意味では、平易に書かれたマンガ本はとても有用ですね!(PR)
こちらはちょっと古くて、絵もストーリーも昔風なのですけど、私は持っています。(PR)
まずは測量士補の試験問題の雰囲気を掴む
敵を知り己を知れば百戦危うからず
と古代中国の孫子はいっていますよね。
文系の人が、いきなり、問題を答えられるわけがないので、訳が分からない公式が目に入ってきても、怖気づくことなく、雰囲気を知ることから始めましょう。
私もそうでしたけど、文系の人には、ギリシア文字のアルファ、ベータまでは、文字としてわかっても、数学で出てくるθ(シータ)、ρ(ロー)、Σ(シグマ)をみるとアレルギーが出てしまいます。
でも、単なる記号だと思うようにしましょう。過去問をやっているとギリシア文字アレルギーも次第に和らいでくると思います。
とにかく、どんな試験内容なのかを、ざっと知ることから始めるのがいいと思います。
そこで役に立つのがYouTubeです。
こちらの方は、長年、測量士と測量士補の過去問解説をしてくれています。このチャンネルの再生リストで判らない過去問題は何回も聞くことが出来るのです(テキストと解き方が違う場合があります)。
測量士補受験生には、とても有益なチャンネルですのでお勧めです。
私は、とにかく、一年分のこちらの過去問の問題解説を、通しで見てみました。一回目で理解することは出来ませんけど、雰囲気は掴むことが出来ます。
しかし、タダで教えてもらっていて、こういうのもアレですが、時折早口でお話になるので、なんと言っているのか分からないときがあります(私の耳の問題もありますが)。なので、早送りするとますます分かりませんので、遅送りすることもありました。
他にも、測量士補試験問題の解説をしてくれている現役の測量士さんの番組もありますので、ご自分にあった人を見つけて下さいね。
実際の測量の現場の雰囲気を知りたいときもYouTubeで探せばたくさん見つかると思います。勉強の合間に、見るのもお勧めです。
測量士補の試験の時間は、午後1:30~4:30までの、3時間(180分)あります。
問題数は、全部で28問で、そのうち、計算問題が10問(令和6年は12問でしたが)。
文章問題は、一つ3分(たぶんそんなにかからないと思いますが)。それを18問で、54分になります。
残り、2時間6分(126分)あります。これを10問で割ると、計算問題は、一問あたり12分強の時間で解けばよいことになりますね。
たぶんですが、解き方がわかっていたら、一つ10分もかからないと思います。
AI時代の到来で、測量の将来は?
ここまで測量士補の受験の話をしてきて、最後にAIの話で恐縮ですけど、全産業に関わってくる話ですので。
AIがどんどん進化して、次第に置き換わりが進んでいくという話ですね。
測量の世界も、機械化が進んできて、人力や手間がずいぶん省かれて来た歴史のようです。
衛星を使うとか、飛行機、ドローン、車載器を使うのも今では当たり前のようです(試験問題にも出てきます)。
そして、一部はAIで置き換わりが行われるとは思います。AIと言わないまでも、行政手続きの部分は、お役所が本気になったら一気に進んでいくかもしれません。
しかし、測量の全てがAIに置き換われるのかといえば、そんなことは無いと思います(遠い遠い将来は判りませんけど)。
何故かと言えば、地球の地面が予測不可能で動いているので(試験問題にも出てきます)、測量は無くならないのです。大きな地震のときにも必ずあとで必要になってくるようですね。
私的な分野ですが、日本独特の社会問題として、空き家の問題があります。その数900万棟。全部の空き家に測量が新たに行われるのかは分かりませんが、相続や売却時には行われそうです。
ですので、測量士補は、今からでも十分意味のある資格であると考えています。
長い前置きで恐縮でしたが、次回からは、今年、令和6年の測量士補試験に出題された実際の計算問題12問と、それらに近い問題を解いていこうと思います。
数学に苦手意識がある、勉強時間が取れない、測量士補の先の資格を狙っているという方へ
それでもやっぱり計算問題への苦手意識が払拭できない、まとまった勉強時間が取れない、勉強の進め方が判らない
個人の置かれている環境は人それぞれですし、独学に拘ることなく、「教えるプロ」に任せた方がベターな選択の場合があります。お金は独学より掛かってしまいますが、きっとお金では買えない時間を有効活用できることでしょう。
東京法経学院
測量士補、その先の測量士・土地家屋調査士試験対策の老舗の資格学校として、東京法経学院があります。リアルな通学と、通信があるようですので、ご自分の環境にあったコースを検討できますね。
WEB講座が流行る少し前までは、測量関係の資格は、東京法経学院一択の時代があったようですね。
そういった意味では、教える手法・方法の蓄積が難関資格試験ではモノを言いますので、老舗の安心感は大きいですよね。
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アガルート
WEB講座が好評で、近年、合格者を増やしているアガルートです。スキマ時間の有効活用に特化した講義内容になっているようです。地方県に住んでいると通学はほぼ出来ませんし、仕事や家庭の役割をこなすと、まとまった時間が取れない人には、とてもマッチした講座だと思います。
すでに来年令和7年の、5月の測量士補試験、10月の土地家屋調査士試験向けの、講座があるようですね!(PR)