宅建士資格と絡めてダブルライセンスを目指す人が多い賃貸不動産経営管理士とは?
最近、資格に関してネットで調べものをしているとよく出てくるのが、この賃貸不動産経営管理士です。
その名称から、不動産の賃貸と管理についての専門家としての資格というのはわかりますね。
日本には、たくさんの国家、公的、私的な資格がある中でその意義はどういったものなのでしょうか?
資格の中には、ちょっと資格とは名ばかりのものもありますので、よく見てみないといけません。
初めてその資格の受験を考えるときは、今自分の置かれている立場と、その資格の意義と、資格取得のための勉強時間も、あわせて考えておきたいですね。
また、一つの資格に関連する他の資格を合わせて持つことによって、その人の付加価値がグングン上がっていきます!ひいては、収入や地位も上がる可能性を秘めています。
つまり、資格を複数取得することは、その世界で生きていくことの大きなアドバンテージにもつながります。
それでは以下でどんな資格なのかを書いてまいりたいと思います。
賃貸不動産経営管理士資格の母体は?
それは一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会というのが、この資格の運営母体になります。
そのホームページを拝見すると、
平成19年7月、それまで
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会、
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会、
公益社団法人全日本不動産協会
が、それぞれ団体ごとに独自に設けていた賃貸不動産管理の資格を業界統一資格として位置付けるため、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会を設立し、
賃貸不動産経営管理士制度を創設しました。
とのことです。
二番目の全国宅地建物取引業協会連合会は、鳩さんマーク
三番目の全日本不動産協会は、うさぎのマーク
で、よく不動産屋さんの前にステッカーが貼ってあったり看板がありますね。
一番目の日本賃貸住宅管理協会は、カラフルな四つ葉のクローバーのマークなのですが、業界の団体なのでしょう、わたしは知りませんでした。
いづれにしても、不動産業界の本流に位置していることがわかりましたので、しっかりした資格であることはわかります。
賃貸不動産経営管理士の役割
賃貸不動産経営管理士とは、主に賃貸アパートやマンションなど賃貸住宅の管理に関する知識・技能・倫理観を持った専門家です。
賃貸住宅は、人々にとって重要な住居形態であり、その建物を適正に維持・管理することは人々の安心できる生活環境に直結します。
そのため、継続的かつ安定的で良質な管理サービスに対する社会的な期待や要望は多く、賃貸不動産の管理業務にかかわる幅広い知識を有する賃貸不動産経営管理士の活躍が期待されています。
引用:一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会より
ということみたいです。
ですので、悪徳業者の排除と規制が、立ち上げの大きな理由のようですね。
賃貸業界では「サブリース」という業者による一括借り上げが行われています。
このサブリース契約に関して、しっかりとした法体系が無かったことから、いろいろと問題があったようです。
たとえば、
契約時に、大家さんが業者から「賃料は下がりません」「賃料を保証します」と説明を受けたけども、実際は契約の説明とサブリースの内容が、大きく違っていたことが多々あったようです。
その内容は、
「良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図るため、サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化のための措置を講ずるとともに、賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設け、その業務の適正な運営を確保する」だそうです。
不動産は、絡むお金が大きいので、どうしても悪徳業者が出てきやすかったと思います。
この法律の創設によって、不動産の賃貸と管理の世界が、今まで以上にクリアなものになればいいですね。
賃貸不動産経営管理士にまつわる話
近々国家資格になる(なった)賃貸不動産経営管理士
前述しました「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が、令和2年6月12日に可決されたことに伴って、来年の6月頃に、晴れて業界団体の民間資格から、国家資格化になるのはほぼ決まり見たいです。
(国家資格化されました!)
いままでの不動産関連資格は、宅建士、マンション管理士、管理業務主任者で3冠王だったのが、この賃貸不動産経営管理士を合わせて4冠王となるわけですね。
さながら、プロレスでいうところの、全日本の3冠へビー級タイトルに、新日本のIWGPのベルトを合わせたような感じになるのでしょうか。
需要が高まり人気が出るにしたがって、難易度が徐々に上がる賃貸不動産経営管理士
なんと、去年まではこの賃貸不動産経営管理士の試験では40問の出題だったのが、まだ民間資格でありながら今年の試験から50問の出題になります。
合格率は、一昨年までは、だいたい50%を切らずに推移してきました。
しかし、去年は、いきなり36%まで合格率は下がってしまいました。
すでに難化傾向に入っている模様です。
この資格の価値の高騰を見越した、意識の高い受験者が増えて、合格率が急激に下がったと思われます。
合格基準ラインは、一応70%で40問出題の時代なら28点がボーダーラインということですね。
しかし、去年は、29点が基準点でしたので、少しですが上がっています。
皆さんの点数が高くなると、合格基準ラインも相対的に上がってしまいます。
つまり、50点満点だと35点がボーダーラインになりますが、それが前後する可能性かあるというわけです。
今年の試験から問題数が10問増えて、どこがどう出るのかわからない
さきほど書きましたように、例年の40問出題から、今年から50問の出題になります。
試験の出題範囲は、
賃貸管理の意義・役割をめぐる社会状況に関する事項
賃貸不動産経営管理士のあり方に関する事項
賃貸住宅管理業者登録制度に関する事項
管理業務の受託に関する事項
借主の募集に関する事項
賃貸借契約に関する事項
管理実務に関する事項
建物・設備の知識に関する事項
賃貸業への支援業務に関する事項(企画提案、不動産証券化、税金、保険等)
です。
私が、ユーチューブでこの賃貸不動産経営管理士の講師をしている先生の動画をみたところ、
どの科目に、その10点分増えた分を乗せてくるのか、わからないとのことです。
ですので、受ける人は、今までの過去問を参考にしながら手探りで配点を予想しつつ、勉強することになります。
ちなみに、余談ですが、の講師の方は、
今までは、宅建士の試験が終わって約1カ月で、この賃貸不動産経営管理士の年内ダブル受験、ダブル取得の推奨派だったようなのです。
宅建の試験は10月なかば、賃貸不動産経営管理士は11月なかば、です。
しかし、その先生曰く、今年からは賃貸不動産経営管理士の国家資格化に伴い、
- 勉強をよくしている受験生が増える、
- 40問から50問に増える、
- 難易度も今までより上がる、
を加味したら、別の年度で受験を勧める派になったようです。
あと、宅建と併せてもつといい資格なのですが、テストに関しては試験範囲はあんまり重なっていないとのことです。
というのは、この試験メインの科目である賃貸借契約のところくらいしか、宅建士試験と大きくは重なってはいないのです。
ですので、よほど業界に精通している人でない普通の受験者は、宅建士とこの賃貸不動産管理士は、一つ一つ、別の年度に受験したほうがよさそうですね。
賃貸不動産経営管理士の難易度
たしかに、去年から難易度が上がってきているのは、確かです。
では、その試験問題そのものの難易度は、どれくらいでしょうか?
むずかしくなっていくとしても、宅建士より難しくなることはその資格の立場から、あまり考えられませんので、管理業務主任者と同等くらいの資格レベル「普通」の中の上の方と、私は思っています。
いずれにしても、早めに取っておくほうがいろいろとメリットがありますので、もしかしたら、来年宅建士資格の受検を考えていた人は、こちらから受験して合格してから、後に続く資格ライフに弾みをつけるのもアリだと思います。
すでに宅建士に合格されている人は、同じ畑の試験ですので、覚えることが多いと言っても、雰囲気的に、かなりのアドバンテージになると思います!
必置義務になる賃貸不動産経営管理士
契約のハザマを狙う悪い業者を排除するために必置にして、法の実効性を担保しているのでしょう。
このことは、資格を受ける側から見れば、資格の中でも、宅建と同じようにすごく重要度が増す資格になることがわかります。
さらに、ちなみに賃貸物件を200戸以上管理している場合は、この有資格者を必ず置かなければならなくなるようです。
いちおう、暫定措置として数年間は宅建士も代替えOKみたいなのですが、将来的にはこの不動産経営管理士だけの必置になるようですね。
このあたりは、来年の国家資格に昇格したときに、はっきりとわかってくることだと思います。
(国家資格化されています!)
令和6年度 賃貸不動産経営管理士試験実施要領(国土交通大臣登録試験)
試験実施機関の、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会から、令和6年度の試験実施要領が出されています。
試験日は、令和6年11月17日(日)13:00 ~ 15:00(120分間)
出題形式は、四肢択一で50問
申込みは、令和6年8月1日(木)~令和6年9月26日(木)となっています。
今から、勉強と申込みの準備を着々としておきましょうね!
賃貸不動産経営管理士試験の勉強方法
賃貸不動産経営管理士のテキスト
試験の実施団体である一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会から「公式本」が出ています。
例年は、この本から多くが出されていたようですので、この本の重要性は大きいと思います。
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ただし、約1000ページという結構なボリュームがありますので、試験問題と照らし合わせて取捨選択が必要になってくると思います。
ちなみに、免除科目の講習を受けるときにも使うテキストみたいですね。
そして、市販のテキストも、この公式本に準拠して構成されています。
その賃貸不動産経営管理士の公式本を、抜粋して、理解度を深めやすいようにしたものが、各社から、市販されています。
賃貸不動産経営管理士資格は、宅建士に絡むことで、資格学校のご商売的にも有望資格ですから、たくさんのテキストが出ていますね。
アマゾン等に飛んで、ご自分の好み(色使い、挿絵の量など)にあったテキストを使うのがストレスなく勉強できますね!
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私なら、公式テキストを参考書扱いにして市販のテキストと問題集を繰り返すというオーソドックスな作戦に出ます。
賃貸不動産経営管理士の通信講座
仕事で、家庭で、まとまった勉強時間がなかなか取れない
独学で進めていく方法が、良く分からなくて不安
生活環境は人それぞれです。独学に拘るのではなく、教えるプロに勉強の進め方を導いてもらうのも全然ありだと思います。
通信講座も、この資格が今後さらなる人気が出ることを見越して、資格学校各社での教材は、充実していますね。
資格学校の値段は、資格試験の難度や科目のボリュームにあわせていますので、まだこの賃貸不動産経営管理士の通信講座は、比較的安めの設定がされていると思います。
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1.スタディング スキマ時間の有効活用を掲げてWEB配信に注力していますね。
3.LEC 講座、直前講座、模試、書籍などいろいろあるようです。
資格は欲しいけど、日々の生活において、スケジュール管理が難しい人は資格学校の通信講座も選択肢に入れておかれるのも良いかもしれません。
私も、この資格に興味が出てきましたので、これからもこの賃貸不動産経営管理士のことを、機会があれば調べていこうと思いますし、宅建士の合格者でもありますから、将来的早いうちに受験すると思います。
がんばりましょう!