特定行政書士の試験には、大きな区分けとして、行政3法と、民事訴訟法・要件事実の2つがあります。
前回の記事では、行政3法の、私なりの勉強方法について書いてきました。
今回は、その、うしろの民亊訴訟法・要件事実の勉強法について書いていこうと思います。
この分野からの出題は、例年、30問中、7~8問のようですね。
因みに、この特定行政書士の試験には、科目ごとの足きりの基準がないので、前半の行政法3法と、後半の行政書士の倫理の3問くらいを、ほぼ完ぺきと言えるくらいにしておけば、試験はクリアできる可能性もあります。実際、YouTubeで受けられた先輩行政書士さんが、民訴・要件事実は捨てたと話されていましたし。
とは言え、やはり、大金の8万円も、かけた試験ですので、折角ですから、それなりに勉強して、
ある程度は、法律の知識として頭に入れておきたいところ、と私は思いました(仕事で使う使わないの議論ではなく、法律を扱う者の素地・素養みたいなものでしょうか。個人的な見解はわかれるところでしょうけど)。
それと、私は一応、大昔に法学部を出ているのですが、当時、民事訴訟法の教授のクラスがとても厳しく、単位がすこぶる取りにくいというウワサが出回っていたものですから、当時スチャラカ大学生だった私は、当然避けていましたw
しかし、ここにきて、民事訴訟法と、対峙することになるのです。
実に敵は強大ですw
やっていくとわかるのですが、この民亊訴訟法・要件事実は、いわゆる法律のど真ん中の勉強になります。
行政書士試験や社労士試験は、条文を覚えるところまででしたが、この勉強は、その先の話になります。その条文のどこを引っ張ってきて、どういう効果が出てくるのか?までを、思考することになります。
特定行政書士の試験のために、数カ月勉強したくらいでは、そこまで深く民訴・要件事実を理解することはできないと思います。
また、現実問題として、試験で、そこまで難しい要件事実の問題も出ないのです。
ですので、個人的には、
司法系の皆様、弁護士さんや司法書士さんの頭の中は、やはりすごいんだなぁ、とわかったことが、この勉強をして一番の経験になりました。
小説で読む民亊訴訟法|弁護士・木山泰嗣|法学書院
さて、民事訴訟法の勉強だ!といっても、何から始めていいのかわかりません。
難しいことだけはわかっていますw
人口に膾炙されているように、民事訴訟法の講義は眠くなるので「眠素」と揶揄されているくらいです。
ですので、できるだけ平易なものをアマゾンで購入しました。
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この本は、「小説仕立て」になっていて、難しい法律用語が、頭に入りやすいようになっています。
内容的には、主人公の大学生が、アルバイト先の法律事務所の弁護士先生から、民事訴訟を教わるという格好で話は展開していきます。
「2」では、大学院生になって、ゼミの先生、ゼミ生との会話を通じて、民事訴訟法を学んでいきます。
特定行政書士は、審査請求の権能を得るためのもので、訴訟まで覚える必要は無く、試験対策上、この本の内容ですら、勉強範囲が超えています。
しかし、その審査請求のシステムが、ミニ裁判の形をしているので、ある程度は理解しておく必要があります。と、偉い人が言っていましたので、そうなんだと思いますw
私見ですが、要件事実の基本のことも、書かれていますので、特定行政書士の試験前に、さらっとでも読んでおくのは、とても有効だと思いました。
中央研修所の基礎法律研修の中にある行政書士のための民亊訴訟法講義
上で書きました、「小説で読む民亊訴訟法」をあらかた読んだ後、
日行連の中の中央研修所の動画にありました「行政書士のための民事訴訟法」を拝聴しました。
短く8つに区切られていまして、トータルで2時間の動画でした。
講師の弁護士さんの説明もとても分かり易かったですよ(理解したとまでは言えませんが)。
こうやって、おぼろげながらでも、民事訴訟法に触れ続けることが、あとあと試験の本番で重要になってくると、自らに言い聞かせておりました。
要件事実入門・初級者編|岡口基一|創耕舎
日行連からビデオオンデマンドのための教材が送られてくる前に、購入した本になります。
因みに、あとから、8万円の中に入って、教材として2冊の本が送られてきます。
中央研修所が監修したもので、
一つは「行政書士のための行政法」
もうひとつは、「行政書士のための要件事実の基礎」です。
要件事実に関しては、本の内容の難易度から行くと、上の写真の「要件事実入門・初級者編」の方が、ずいぶん濃い(難しい)感じがします。タイトルだけだとわからないモノですね。(PR)
こちらは、司法試験を目指す人のために基礎的なことを書いていて、要件事実の思考の過程を勉強するにはとてもいいと思いました。
まぁ、特定行政書士試験対策としては、ちょっとやり過ぎていますので、試験のために読み込む必要はないと思います。
私は、一応、特定行政書士の考査に通りましたが、ミニ裁判としての審査請求の方法・思考過程は、まったくできていませんので、暇を見て、素養のために読んでいこうと思ってます。
試験の合格率だけでは本当の意味での難易度はわからない
SNSを見ていると、自分の受けた試験、落ちてしまった試験の難しさを、とても強調する人が、おられます。そういうことを言って、心のバランスをとっているのでしょう。
だいたい、こういうふうに書く人は、難易度というものは、合格率なんかで判断されていると思うのですが、肝心の試験の内容を無視しているような気がします。(実際、医療系、パソコン系など、8士業ではないものでも、ウルトラ・超難しそうな資格はたくさんありますし)
例えば、社労士資格界隈の人の中には、行政書士試験より、社労士試験の合格率は低めですので、難しさをアピールして、自らを鼓舞又は保身?浮揚?ビジネス?を図りたいと考えている人も居られるような気がします。
しかし、社労士試験(行政書士試験もですが)、記憶のやり方とガッツ次第で受かる試験でもあります。
これら社労士試験や行政書士試験には、どうしてそうなるのかと思考することは試験にも出ません。そして、実務でも、基本的には代理して交渉することは出来ませんので、手続きのやり方を覚えて実践することになります。(因みに、特定社労士試験は、特定行書と同じく、要件事実の初歩を学びます)
それはそれで、重要なことなのですが、それのベースとなる知識の難易度が高いものだとは、要件事実に触れた今、私は思わないのです。
どちらかの立場に立って、法を駆使して解決に導くという思考方法は、ちょっとやそっとの訓練では出来ないシロモノだと思います。
なので、弁護士さんとか司法書士さんは、頭の出来・使い方がすごいんだなぁと実感しました。
そして私は、「特定」を取ったことがゴールではなくて、スタートなんだと肝に銘じなければならなないと思った次第です。
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