行政書士試験を受ける前に知っていた方が良いこと
この行政書士試験は、取得のための勉強をするのにも、そして、取ってからも外野からの「ご意見」で、気苦労が他の資格よりも多いということです。
たとえば、貿易の手続きをする通関士や、運送業界で車両の手配をする運行管理者が、外野の厳しい「ご意見」を頂くこともないでしょう。
以前も資格に対する世間様からの影響について、同様のことを書きましたが、今回はもう少し掘り下げようと思います。
以前書いたときも、私の念頭にあったのは実は、ほとんどがこの行政書士資格に関してでした。
この行政書士資格は、様々な「ご意見」を頂くのにも関わらず、人気の資格試験です。4万人くらいの受験者数を誇ります。
ちなみに、下の写真は私の合格通知書になります。一般知識がちょっと低かったですね。
欲を言えば、「みずもの」の記述式を加算しなくても、180点あればドキドキの発表待ちをしなくてもいいのですが、そう簡単にはいかない難しい試験ですので、仕方がなかったです。

私の行政書士合格通知書
行政書士試験は、勉強に無縁の人にも、簡単で誰でも受かると思われている場合がある
どうやら行政書士資格は、大昔、確かに簡単に取得できた時代があったようなので、その当時の風潮を引きずっている年配者(おじいさん)から、子(おとうさん)へ、そして孫(おにいさん)へ、に似た状態なものが一つ考えられます。
家庭内でのそういった「ネガティブな伝承」は、なかなか、しつこいのだろうと想像できます。
行政書士資格が、簡単に取得できたのは、高度成長期から昭和40年代くらいの話でしょうか。
そのイメージが「代書屋」という言葉の中に「蔑称」として残っている気がします。
これは、大学の「ポンキンカン」に対するものと同じ、人間のちょっといい加減なところ、過去の擦り込みをなかなかアップロードできないと言いますか、または、「やっかみ」も混ざって悪く言うことで心のバランスをとるというか、まぁ、そういう複雑さの表れだと思います。
ポンキンカンとは、今でもマンモス校であり有名大学と言ってよい、ポン=日本大学、キン=近畿大学、カン=関西大学のことです。
最近は、全然悪口を聞かなくなりましたが、私が若い時には、まだこの単語を使うオジサンはいました。
「ぽんきんかんゆうてなぁ、だれでも入れたんや~」的な。
↑入ってない人間がいいます。
への「やっかみ」が、含まれた「蔑称」であると考えられます。
こういう悪態をつくオジサンにとっては、この3つの大学よりあとに設立されて偏差値上のことですけども、難易度の低い大学のことは、優劣に関係ないのです。
もしくは知らないのです。
そんなことは、もうどうでもよく「ポンキンカン」と言いたいのです。
今は、この3つの大学は、日本にある大学すべてを並べたときに真ん中より上で、学部によると思いますが「上の下」から「中の上」くらいにはなるのではないでしょうか。
大学受験の実情を知る人なら、少なくとも「誰でも入れる大学3選」とは思わないでしょう。
横道に逸れましたが、行政書士資格にも、この3つの大学の昔の評価と同様の、ちょっと人間の暗い部分が、外野の人間から聞こえてくるのは確かです。
行政書士試験は昔と比べてずいぶん難化してきた
ものすごく昔の試験の内容は手に入りませんが、ネットの中で無料で過去問を提供してくださっている「合格道場」さんというサイトがあります。
無料なのに解説もすごく濃くて、受験勉強していたときは、めっちゃありがたかったです。

この資格の受験を考えている人は古めの過去問も、見ても損はないと思います。この試験の本筋が分かると言いますか。
例えば、独学道場さんのサイトには、昭和62年度のテストの抜粋が載せてあります。
それから数年は、実にあっさりした問題が続きます。
問われている内容もさることながら、問題文が今のと比べるとずいぶん短いですね。
それが、平成15年前後くらいから問題が、難化していくのがわかると思います。合格率も急激に下がります。
今の試験もそうですが、読むだけでスタミナと時間が過ぎていくように出来ています。
ちなみに、社労士試験も同じ傾向にあると思います。
ただ、私はだからといって「昔の人はずるいぞ!」とか「誰でも受かる」とは思いません。
時代を経れば、すべてのものが難化していくのは、ある程度仕方のないことだからです。
ちょっと資格の勉強から飛躍した例ですが、
体操競技の技の難度も、1970年代、クラシアンの森末さんの1980年代、そして今の白井選手の時代の技、素人目に見ても違いますね。
今のは、回る回数が多いと言いますか。
でも、古い時代の技をバカにしているのでは、さらさらないのです。
その時代の世界中で最も難度の高いものを出して、金メダルをとられているわけですから。
話を戻しますと、この行政書士資格が軽く見られる理由は、他にも考えられています。
公務員の人で、ある一定の役職以上を、ある一定の期間お勤めになれば、多くの人は退職後でしょうけど(兼業禁止、安定して給料捨ててまでリスク取ることない)、申請すれば無試験で資格が、与えられるというところにもあると思います。
公務員の人が行政書士を軽く見ているとも思いません。
実際、公務員の人が、退職後、行政書士としてみんながみんな開業するのかと言えばそうでもないです。
公務員は、退職金・年金が多いこともありますし、わざわざ老後に、やったことのない民間での営業をやりたいとは思わないのではないでしょうか。
まあ、業務の性質上、書類の作成や提出されるのは当然ですし、個人的な考えですが、行政書士試験よりも、何倍も勉強されているのですから、行政書士の業務が「包括」されるのも当たり前だとも思います。
これは何も法律系資格に限ったわけではなく、薬剤師が登録販売者の、看護師が准看護師の、介護福祉士が旧ヘルパー2級の、オートバイの限定解除が原動機付自転車を包括することに「ずるいぞ」と、異を唱える人は少ないと思います。
まぁ、行政書士業務は一件の業務の単価が、弁護士などの上位資格の業務と比べて、総じて低いこともあって、わざわざ、それらの上位資格の士業の人が本業の上位資格の業務ではなく、行政書士の業務をやる意味も、あまり見いだせないと思いますので、ここでの士業同士の軋轢は少ないと思います。(残念ながら行政書士が他士業独占業務に入ってしまうニュースは聞きます)
士業の単価の違いは商売の形態の話で、一杯300円のラーメンを数で勝負するか、一杯1000円のラーメンで食材にこだわるのかの違いだと思います。
儲かるのか儲からないのかは、その人の商売の才覚です。
300円のラーメンだから儲からないわけではありません。1000円のラーメンだから儲かる訳でもありませんね。
行政書士は人気資格なのでやっかみが多く、その「ご意見」がもっともらしくきこえることもある
心理学の話ですが、人間は、3人からある事柄を、もっともらしく言われたり聞いたりしたら、その事柄の真偽がどうであれ、本当だと思いこむクセがあるようです。
銀行の取り付け騒ぎや、トイレットペーパーがなくなるというウワサを、いとも簡単に信じてしまうとかですね。
そしてさらに悪いことには、一定数の人は、その思い込みを自らもっと固めるために、同様の意見を収集するようになるようです。
ネットの世界では、バカにしたいがために質問して、別の人がバカにしたいがために回答して、その思いを同じくするという。
もし、あなたの周りで、直にあなたに、こういうことを言う人がいたら、もう相手にするだけ、あなたの時間がもったいないので、大きなストレスになる前に離れてしまうのが吉です。
ということで、今まで、長々と書いて来ましたが、結局は「そういった声はスルーすることが一番」ということを、お伝えしたかったのです。
行政書士試験は難しいですが、継続して勉強すれば受からない試験ではないと思います。
がんばってください。