海事代理士試験の筆記試験を受け終わったら
海事代理士の筆記試験が終わると、試験会場で模範解答が試験官から配られます。
それと試験中に自分の答えを書いた問題用紙とを照らし合わせて、自己採点することになりますが、去年の私の場合は、帰りの新幹線の中でマル付けをやっておりました。
そして、この丸一日かけた海事代理士の筆記試験は、おそらくクリアしたと安堵したのです。
ほんとうに、朝から晩までの筆記試験なので、移動も相まって、どっど疲れましたw
そして、自己採点で、60%以上(受験者の平均点が60%以上になったときは、その平均点がボーダーラインになります。私の受けた年は約63%の正答率が必要でした)あった人は、次の日からでも早めに口述試験対策を取った方がいいと思います。
以下は、過去の私の投稿でも、少しお話しした部分もあり重複するところがありますが、ご了承のほどを、お願いしますね。
それは、私がたまたま某大手掲示板5ちゃんねるを見たとき、海事代理士の口述試験は落ちる方がおかしい的な意見がありました。
そのような意見が出てくるのは、それまでの直近の海事代理士の口述試験は、合格率がものすごく高かったのがあります。
口述試験の合格率90%台が続きましたので、そういう意見が出るのも仕方のないことだったかもしれません。
だからといって、口述対策をしなくてもよいということにはならないのです。
私も、これらのネットの意見を真に受けて、口述試験に慢心しなくてよかったと思いました。
と言いますのは、これは合格発表後にわかることですが、私が受けた年の口述試験は、
合 格 者 数 97名
受験者に対する合格率 60.6%
となったのです。
一気に合格率が30%以上も下がりました。
過去の合格率のデータやそれにもとづく意見が必ずしも、次の年もそうなるとは限らない一例ですね。
追記:令和5年の口述試験は、また、合格率90%台に戻っているようですね。
https://www.mlit.go.jp/about/content/001712972.pdf
まったくの余談ですが、サムネイルのいらすとやさんの画像は、面接を受けている人が若く面接官が年配者の絵になっていますが、実際の口述試験は、平均的に見ても受験者の方がずっとずっと年配者だったと思いますw
海事代理士筆記試験合格の通知を待ってからの口述試験対策では遅いです!
今年令和2年度の口述試験は「海事代理士になるには」によると、令和2年12月3日(木) に行われる予定です。
私の受けた令和元年度は11月25日(月)でした。
私のときは、一週間くらい前倒しでやっていたんですね。
海事代理士筆記試験後、筆記合格者には、国土交通省から筆記合格の通知が送られてきます。
筆記試験の通過の通知は、10月30日付けの文章でした。私は地方住みなので1~2日遅れで、届いたかと思います。
あくまで、筆記テストは主催者側からも受検者側からも通過点ですので、実に事務的連絡風です。
この10月末の通知から、実際の口述試験受験まで1カ月しかありません。
ここから口述試験対策を始めるのはとてもリスキーです。
受験者の、一か月の間にかけられる勉強時間や面接の能力は、個人それぞれなのでしょうけど、この日から「暗記したものを質問されてソラで言えるレベル」に持っていくのは、日にちが少ないと思います。
自己採点が、60点台のボーダーラインの人も「筆記受かったかな、どうかな」とあまり悩まずに、ご自身を筆記試験は受かっている!と仮定して、早めに口述の練習を開始した方が良いです。
海事代理士口述試験対策
私は海事代理士筆記試験合格通知を受ける前から、ずいぶん早く口述対策に動き始めました。
私がやった勉強方法としましては、
・口述マスター
・厚生労働省のHPの自作プリント
をTPOにあわせて(気分で)、使っていました。
全部、結局は、過去問の焼き写しなので問題は同じです。
違うのは、厚生労働省のHPの過去問は当然ですが、出題されたまんまの問題です。
皆さんも問題をコピーされて、年度年度の問題を見比べてもらえばわかるですが「定番の問題」が結構、見つかるとおもいます。
つまり、毎年必ずとは言わなくても、全部まるまる同じとも言えなくても、数年に一度はだいたい同じ問題が出されるのです。
まったく同じではなくても、ちょっとだけ聞き方をかえてるだけで、ほぼ同じ問題もありました。
たとえば、船舶法の以下の問題が「定番の問題」と言えます。
問 船舶国籍証書の検認を受けなければならない期日の定め方について全て述べよ。
【法第 5 条の 2】(模範解答)
船舶国籍証書の交付を受けた日又は前回検認を受けた日から、総トン数 100 トン以上の鋼製船舶は 4 年を、総トン数 100 トン未満の鋼製船舶は 2 年を、木製船舶は 1 年を経過した後、国土交通大臣(管海官庁)の定める期日(又は船籍港を管轄する管海官庁により延期された期日)令和元年度海事代理士口述試験より
なんども、繰り返し出題されていますので、こういう定番の問題は早めに記憶しておきましょう。
私は、プリントして、同じ問題には大きく✖をして、最終的には、✖していない問題を、ハサミで切って別の紙に張り付けていきました。
私は、この自作のプリントをメインにして、時には書き込んだりもしておりました。
あと、海事六法の読み込みも毎日ではなかったですけど、勉強のメニューにいれておりました。
筆記試験で昔出されたことがある問題が、口述試験で聞かれることがあるからです。
たとえば、船員法の最後のBグループ問題では、
問 船舶所有者が乗組員の中から、救命艇手を選任しなければならない船舶を2つ答えよ。
【法第118条・救命艇手規則第1条】
(模範解答)
・旅客船
・旅客船以外の最大とう載人員百人以上の船舶令和元年度海事代理士口述試験より
というのが出ました。今までの、口述の過去問では載ってなかったと思います。
筆記試験の過去問で、どこかは定かではないですが、出たものだと思われます。
なぜかというと、私の海事六法には、線が引かれて書き込みがされていました。
これは筆記試験の過去問のどこかで、出たという印だったのです。私はこのおぼろげな記憶をたどり、本番で回答することが出来ました。
つまり、口述の過去問ではなく、筆記の過去問から出ることもあるということです。
主要4科目の筆記試験の過去問を、おさらいとして見返すのもいいと思います。
私は、海事六法で、4法プラス施行規則の重要であろう箇所を読み込むようにしていました。
口述試験対策の具体例としましては、
私は、用事で出かける際のついでに河川敷やスポーツ施設の駐車場に寄って、車の中で問題・解答ともに声を出して、読み上げの練習していました。声に出すのがこの口述試験対策のカナメだと思います。
この読み上げを練習しはじめた頃は、たった今読んだ文章なのに、今度は見ないで紙を伏せて、声出ししようとしても、全然答えられません。
これはもう、なんども、繰り返すしかないようです。
口述試験では4法律について出題されますので、私は教材を持って出かけて、一法律を車の中で読み上げて戻るという感じにしていました。
その他には、「海事代理士合格マニュアル」の合格体験記の人が書かれていたのですが、音声読み上げソフトに読ませて覚えたということが書いてありましたので、それを真似てやってみました。
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私が使ったのは「バラボルカ」という無料の音声読み上げソフトです。
アイコンが、ヘッドホンをしたお月さんみたいなやつです。
まず、過去問の文章を、ソフトの画面に打ち込んでいくのです。
このソフトはタダなので、妥協するしかないのですが、けっこう漢字の読み上げが「変」なときがあります。
そんなときは面倒くさいですが、一問一問、テキストを打ち込んだらその都度、確認ボタンを押して、もし「変」になったら、その部分は「ひらがな」で打って音声を修正していきました。
機械が読み上げるのと並行して文字の色が変わっていくのを目で追えるので、耳と目の学習になります。そして、ブツブツつぶやきながらの作業です。結構時間のかかる作業でした。
まあ、今思えば、その文章を打ち込んで、確認して修正するという作業も、過去問を覚える修行の一つだったと思います。
家では、この読み上げソフトを使ったり、上で書いた口述用の3つのアイテムを使って黙読したり、書き取りしたりしました。
あくまでこれらは私のやり方ですので、自分に合ったやりやすい方法をはやく確立されて、本番では「聞かれたことをソラで言えるレベル」にもっていくことが肝心だと思います。
日本海事代理士会の口述試験対策セミナー
口述試験日の前日に、日本海事代理士会が主催の口述試験対策セミナーというのがありました。
「海事代理士合格マニュアル」の合格体験記でも、皆さんがこのセミナーの必要性について書かれていました。
凡人を自認しています私は、どんなに自己流の訓練しても、本番であがってしまい「頭が真っ白になる可能性もあるな」と自己分析していました。
ですので、筆記試験通過の通知があってすぐに、日本海事代理士会のHPを確認しました。
そして、この研修会の募集告知があるのを見つけました。
16,000円とちょっと費用が高いとは思いましたが、一発合格のために仕方がありません。
もうすでに何人かは申し込んでいて、かつ、定員が24名という少なめの募集でしたので、私はすぐネットで申し込みました。
そのセミナー会場は、晴海の東京海員会館というところでした。
このセミナーを受ける人が、この海員会館に宿泊すると割引があるらしく、セミナー受講の旨を電話で、係の人に告げると宿泊料は6000円しなかったです。
電話のみで予約を済ませました。
東京の他のビジネスホテルに比べたら、かなり安く泊まれたのはラッキーでした。移動しなくてもよくなりましたし。
セミナーは、会議室を二部屋貸し切って行われました。
一つの部屋では現役海事代理士の講話、もう一つの部屋では本番を想定した口述練習の部屋です。
それを時間を区切って人間を入れ替えます。
本番の練習部屋では、テーブルを4つ縦に並べて、試験官役の海事代理士の先生が座っています。
これで計4法律の質問体制ができます。受講者は3分間隔で、そのテーブルを巡っていく方式です。つまりは、お見合いパーティーの形態で受験者が動くのです。
で、このテーブルの縦の列が3本ありました。4×3本で12テーブルですね。
質問する先生と、答える受講者の熱気はすごかったです。
一斉に十数人が話し始めるので、けっこう大きな声にならざるを得ません。
先生とはface to faceです。
12月ですし、部屋は人間の熱気と呼気で、窓ガラスや壁に、結露がすごくできていました。
ここにきた受講者には、必ず受かるんだという意欲が感じられました。
このセミナーを「受けたら通るだろ」みたいな軽い感じで来ているのではなく、必死かつ真剣なのです。
そして、ほとんどの受講者が、事前に入念に訓練されていて、質問の8~9割近くは皆さん答えられていたのではないでしょうか。
その今までの練習の確認の場として、このセミナーを受講されていたと思います。
私見ですが、受講代と宿泊の費用は掛かりますが、一発合格のためにはこのセミナーを受講していて良かったと思いますし、今後、口述試験を受ける方にもお勧めします。
少なくとも、この現職の海事代理士の先生との対面方式の訓練を受けることによって、心の余裕が出来ます。
セミナーは、過去問の繰り返しの演習ですので、本番で新しい問題が出たら対処は難しいですが、「定番の問題」の取りこぼしをなくすには効果があったと思います。
★ただし、今年はコロナ禍の影響で、このセミナーが開催されるのかは判りません。
開催されても、私の受けた「密なやり方」では出来ないと思いますので、パーテーションをしたり、人の密度を下げたりするのでしょうか。
いずれにしても、受講したい人は筆記試験合格の通知のある日の前後くらいには、日本海事代理士会のHPをひんぱんに確認するしかないと思います。
時間とお金の都合がつくなら、このセミナーを受けることを強くお勧めします。