海事代理士は、受験者数が少ないので、受験産業が手を入れてきてない資格です。
ほぼほぼの受験生が独学で挑む試験になると思います(一部の大手予備校=伊藤塾さんで授業があるとか)。
参考書・過去問なども、行政書士や社会保険労務士などと比べると、全然そろっていません。
以下には、どうやって、独学で試験勉強を進めていくのかを述べていきたいと思います。
海事代理士試験をローコストで受験したい人に
究極的に言えば、
国土交通省のHPの「海事代理士になるには」の下段にある過去10年の問題をプリントアウトして、わからない箇所や疑問点を、その語句の合致する条文をe-Gov法令検索で法令の検索すれば、ほぼゼロ円で受けることは出来ます。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/ ←e-Gov法令検索
しかしこれは、大海原に古いコンパスだけを渡されたような状態です。自分でなんとか「できなくはない」というか。
勉強の初めから、ご自分で道を作って行かれるタイプの人や労力を厭わない人なら、この方法でも合格される可能性はあると思います。
でもやはり、普通の受験者には、なにがしかの勉強の指標は当然あったほうがいいですよね。
この試験を受ける大多数の人は、勉強が進むにつれて、これをプリントアウトして自分の道を作って行くやり方を、取り入れておられると思います。
というのは、この海事代理士試験は、テキストや参考書のたぐいが、ぜんぜん充実していないからです。
なるべく、最低限の費用で、この資格の勉強したい人は、成山堂書店の「海事代理士合格マニュアル」をおすすめします。
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(新しいのがでました!)
というか、容易に手に入るものはこれしかないのが現状です。(Realというところからも書籍は出ておりますが、本を刷るのが少ないのでしょう、すぐに売り切れてしまいます。)
以下は、この海事代理士合格マニュアルの感想について書いてみたいと思います。
海事代理士合格マニュアルとは
のっけから注意点があります。
私が持っている合格マニュアルは6訂版です。灯台の写真の表紙のものです。
現在、アマゾンで売られているのも、この6訂版で、止まっています。
(7訂版でました!)
(8訂版でました!)
この灯台表紙の6訂版に掲載されている過去問は、平成25年から平成29年までのものです。
で、過去5か年分のものしか載っていません。
しかも、私がこの試験を受けたのは、令和元年度ですので、その時点ですら、平成30年度のは、載っていない状態でした。
前年の問題が、この本では、わからないという。
つまり、数年に一度しか、改訂されないのです。
資格試験において、古いテキストは法改正や解釈、データの絡みから、使わないのが吉とされているのですが、この海事代理士試験の一番有名なテキストでも、この状態なのです。
でも、受験生として、必要以上に嘆いても仕方がありません。
受ける受験生は、この意味において平等になります。
おそらくですが、海事代理士は受験者数が他の士業よりも少なく、出版の予算と売り上げの見込みで、どうしても、毎年の刷新とはいかないのだろうと、推測されます。
ですので、購入する際は、出版元にいちど、今度の改定はあるのかないのかを聞いた方が良いかもしれませんね。 民法も改正されていることですし。
この「海事代理士合格マニュアル」の構成は、
低コストと労力で、この資格を目指されるなら、この過去問を丸暗記されたら、受かるかもしれないです。
でも「かもしれない」ですので、その点は、ご了承ください。
ただ、令和元年の、あの口述試験を受けた私の感覚ですと、この「海事代理士合格マニュアル」の後ろにまとめている口述問題をすべて暗記し、ソラで言えたとしても、ちょっと難しかったのではないかと思います。
この「海事代理士合格マニュアル」の過去問に乗っていない問題も、だいぶ本番では聞かれたからです。
海事代理士合格マニュアルの使い方
この「海事代理士合格マニュアル」の使い方ですが、私は、この試験を受ける前に、すでに合格した先輩方の皆さんはどのように、使われていたのかをネットなどで調べました。
問題集なのですが、余白の部分にどんどん答えを書き込んでおられました。
で、勉強し始めると、その書き込みの意味が分かってきます。
章のうしろに答えは書かれているのですが、はじめは当然、解答出来ません。
あたりまえですが、専門用語が脳に定着していないのです。
そして、なんどもひんぱんに、ページを行ったり来たりするのも、めんどくさい限りなのです。
私は、さっそく、オープンマインドの精神で、同じように、答えを余白に書き込むという真似させてもらいました。
自分で、一問一答の問題集を作る感じですね。
口述問題対策ですが、厚生労働省HPの下部の過去問では、同じ問題が重複して出る問題があります。
合格マニュアルでは、それら重複している部分は抜いてまとめておられるので、それはそれでよかったと思います。
それと、東京での口述試験の本番は、2つのグループに分かれて、なんと、そのグループによって違う問題を出されるのです。
当然、難易度は同じくらいものなのでしょうけど、自分が覚えているところが出されるのかどうかのグループ分けは、はっきり言って、運です。
「海事代理士合格マニュアル」に話しを戻すと、最後の方に「合格体験記」があります。
受験された人は、いろんな立場で、いろんな思いで、試験に臨まれているのがわかります。
私が参考になったことは、口述試験対策で、ある人はボイスレコーダーにご自分の声を入れて聞いて覚えておられたこと、別の人は無料の音声読み上げソフトに読ませて、それを聞いておられました。
私はまたオープンマインドの精神で、この2つを試してみて、読み上げソフトの方で真似させてもらい勉強しました。
ちょっと、自分の声を聞くのはしんどかったからですw
この本は、過去5年分しかない、リニューアルされていない、回答に解説がないなどの、痒いところに手が届かないテキストですが、仕方がありません。
ちなみに、口述試験は、筆記試験が終わってからでも、間に合います。
しかも、筆記で覚えたことは、口述試験でも活きてくるはずです。
私事ですが、海事代理士試験の受験会場まで行く移動のコストが非常にかかるものですから、受けた年に海事代理士試験を、絶対受かりたかったのです。
そのかわり書籍代に費用を掛けるのは、ある程度、仕方がないと思っていました。
ちなみに私は、アマゾンで中古の「海事代理士合格マニュアル3訂版 成山堂書店」も、確か格安で入手しています。
こちらは平成22年から平成18年の過去問集です。
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灯台の6訂版が29年~25年、3訂版が22年~18年ですので、30年度、24年・23年度が、抜けていますがしかたありませんので、その年度の部分は、厚生労働省のHPのダウンロードで補ないました。
もちろん、3訂版ではなく、4~5訂版が手に入るのなら、そちらでも良いかもしれません。
3訂版と6訂版でも、法改正が行われている法律では、当然、書いていることが違っていました。
はじめは混乱し、舌打ちの一つもしてしまいますが、仕方がないのです。
ただ、「海事代理士合格マニュアル」のいいところ?は、問題文の最後に「ヒント」として、法の何条から出ているのかは、記載してくれています。
ですので「アレおかしいな、改正したのかな」と思ったら、このヒントを参考にして、条文にあたるといいです。
問題と条文が違うなら、法改正があったということです。
毎回、e-Gov法令検索で条文をあたるのは、けっこう、めんどくさいので、私見ですが、やはり、海事六法はあったほうがいいですね。
条文の読み込みにも使えますし、検索時間の短縮にもなると思います。
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(2024年のモノ、出ました!)
次回は「海事代理士試験に、あったほうがいいもの」を書いていこうと思います。