リテールマーケティング(販売士)検定 商いに携わるすべての人におすすめ!

販売士2級の合格証とカード 販売士

私の中学時代の友人で百貨店に勤めている者がいるのですけど、

久しぶりに会話したときにたまたま「資格」の話題で盛り上がりました。

そして、話の中でこの販売士のことを知りました。

ちなみに彼は、入社1~2年目にはこの販売士2級は取得済みだったとのこと。

さすが百貨店だなぁと思いました。

そして、私も受けてみよう!ということになったのです。

受ける前にいろいろ調べまして、短期間に一回で販売士2級に合格しました!

以下は販売士の受験についてまとめています。

独学で合格!みんなにおすすめしたい販売士検定とは?

正式には、リテールマーケティング(販売士)検定試験といいます。

仕事中の机の上

この検定資格は、日本商工会議所が主催していて、1級・2級・3級があります。

2級と3級は、2月と7月の年二回、試験日があります。

ただし、1級は年一回の2月試験日となります。

2級からの飛び級もありの試験です!

(1級からも行けるみたいなのですが、いきなり1級は難易度的に無理がありそうです)。

ですので、ご商売の経験が長いとか、商業高校や大学の経済・経営学部を出ているとかで、小売業に自信のある方は、2級からでも全然行けます!

そして、独学で全然いけます!!

と言いますか、実際、2級と3級は範囲が少し変わるだけで、難易度はそう変わらないようです。

「受けてみようかな」と思われる方は、ご購入されたテキストの前に書かれている試験の概要や、

主催する日本商工会議所のホームページで内容・日程等のご確認のほどお願いしますね。

https://www.kentei.ne.jp/retailsales←日本商工会議所のHP

この検定資格は残念ながら、〇〇士とありますが検定試験ですので、排他的に業務ができるわけではなく、その名称を名乗れる人はこの試験に受かった人だけという資格になります(名称独占)。

簿記検定と同じ感覚ですね。

 

そして、さらに残念なことですがこの検定資格も、心無い、よく分かっていない人によって「使えない資格」に挙げられています。

そういう人たちの判断基準は「即お金になるか」「社会的ステータスがあるか」「コストパフォーマンスは良いか」「試験に受かっても使えないぞ!」です。

たしかにその判断基準でいくと、この販売士はマイナーですし、宅建や登録販売者などの業務独占資格にくらべると劣っていると思います。

しかし、すべて「ビジネスパーソン」としての素養・常識を、この検定資格の勉強によって習得することに「使えないは無い」と考えています!

 

販売士検定に受かること=商売人としてのスキルアップ!

ビジネスシーン

日本の小売り業界における中小企業は、令和の時代にいまだ「昭和の香り漂うやり方」で商売をされているところが多いと思います。

つまり、「コツ、経験、気合(または根性)」の3Kに頼っている、もしくは、中間管理職にこの3Kによる指導をさせていると言いますか。

すでに販売のスキルは「科学」です。

百貨店・スーパー・コンビニにお買い物に行くと、顧客導線が考えられていたり、人間の目の動きに合わせて陳列されたりしています。

在庫が多いと経営を圧迫しますので、勘や経験ではない発注のシステムで、誰でもが適正な仕入れをすることもできます。

デパートメントストアの絵

稀に「3K」によって、天才的な販売で売り上げを稼ぐ人もいますが、万人が出来るものではないと思います。

従業員にしても経営者にしても、ご自分を凡人と自覚されている人は、流通業界が、長年の試行錯誤の中で編み出したやり方を真似する方が負荷が少ないですし、効果も大きいと思います。

コツ、経験、気合の3Kは、そういった科学された基礎を踏まえて、最後の最後に使うこともあることは否定しません(ですので全く3Kが不要と言っているわけではなく、はじめから3Kに頼るのが昭和テイストと思うのです)。

経験的に言わせていただくと、小売りでも卸しでも何でも、その会社独自のローカルルール以外の商売の知識は、外部に知識を求めないと増えません。

勤続〇〇年の人がいて、その会社での常識レベルは高くても、世間一般の「商売人」としての常識レベルがあるのかというのは、また別の話です。

(ヘッドハンティングしてきて有能だと思っていた人材が、まったく使えない人だった!などは、これもひとつの原因だと思います)

ですので、この販売士検定資格を独学で目指すことは外部に知識を求める行為ですし、今までやってきたことの復習、知らなかったことの習得を、効率的に手っ取り早くできると思っています。

この検定資格は、中小企業診断士のミニ版として捉えている人もおられます。

小売業限定の販売士ですが、商売のベースは網羅されていますので、その知識をさらに深化発展させたのが中小企業診断士だと思います。勉強量は5~10倍、勉強時間も数年にわたるそうなのですが、その難関資格の足掛かりにこの販売士検定はもってこいのようです!

J-SMECA 中小企業診断協会

 

ただ、注意点としてはこの販売士検定資格には、5年ごとの更新制度があります。

アップデートの写真

これはちょっとネックですね。更新ははっきりいいますと、めんどくさいかもしれません。

講習代5000円・更新料2000円、一日3時間程度、通信もあり?とのこと。

 

あ、あと、ライセンスカードみたいなのが合格証書と一緒に送られてきます。有効期間が書かれていますので、せっかく受かった資格なので保持したいですから、ときおり期限を確認しなければいけませんね。

販売士資格はどんな内容の試験なのか?|独学で合格!

パズルのピースを合わせる

さて、どんな内容の試験なのかと言えば、その日本商工会議所のHPによると、

2級の程度・能力・人物像
・マーケティング、マーチャンダイジングをはじめとする流通・小売業における高度な専門知識 を身につけている。
・販売促進の企画・実行をリードし、店舗・売場を包括的にマネジメントできる人材を目指す。
・幹部・管理職への昇進条件として活用している企業もある。

とのことです。

私なりに思うに、要は「商売の科学の基礎固め」とでも申しましょうか。

雇用される人だけでなく、これから商売をしたい人も、この資格はすごく有用だと思います!

私は、10年間くらい、個人で小さな商いをしておりましたが、始める前にこの資格を知っていれば、きっと受けていたと思います。

商売をする中で、試行錯誤しながら判ってくることもありますが、それ以上に判っていないこともたくさんあります。

出来るならば、ビジネスをやる前に、基礎的なことを広く判っていた方が絶対有利ですからね。

 

試験科目は、私の受けた販売士2級ですと、

小売業の類型」と「マーチャンダイジング」で60分

休憩をはさんで、

ストアオペレーション」「マーケティング」「販売経営管理」で90分

になります。つまり、一科目30分ですね。

  • 「小売の類型」は、小売業界、業態の分け方などの一般常識的な
  • 「マーチャンダイジング」は、商売する上での実務上の一般常識的な
マーチャンダイジング 利益率、損益分岐点の計算問題の例

問題用紙マーチャンダイジング
利益率、損益分岐点の計算問題の例

  • ストアオペレーションは、店の運営方法やディスプレイ的な
  • マーケティングは、お客さんの動向、リサーチ的な
  • 販売・経営管理は、法律、手形小切手、財務諸表分析的な

感じです。

貸借対照表・損益計算書から○○率の計算

問題用紙 貸借対照表・損益計算書から○○率の計算

写真であげたような計算問題もありますが、パターン化されていますので、覚えれば大丈夫です。

安心してください。しかも、実務ですごく使えますよ。

アバウトでもいいですから「ウチの会社はどうなのかな?」とか、この概念を自ら個人に落とし込んで「私の年間売上からの利益は、、、はたして会社に貢献しているんだろうか?」などができるようになります。

営業目標を立てたり、PDCAを回す材料になるのです。

 

販売士試験の合格基準ラインと販売士2級問題集|独学で合格!

上記の科目一つ100点、全部で500点満点のうち、平均70点以上(つまり350点以上)で合格です。ただし1科目ごとの得点が50点以上の足切りありです。
販売士2級の私の自己採点

問題用紙 販売士2級の私の自己採点です

私は、お正月前後から少しづつやって、2月の受験をしました。

テキストや問題集には、わざと?小難しくした専門用語が出てきます。カタカナ言葉や、アルファベット3文字の略語とか。

でも、それらは日本語に訳すと、そのままの意味になるものがほとんどですので、慣れれば大丈夫ですよ。

教材は、一ツ橋書店の「リテールマーケティング検定2級問題集Part1とPart2」を使いました。

これは問題集でテキストではありません。つまり、ノーテキストです。

過去の私の別の資格の記事をお読みいただくとわかりますが、普段は「テキスト複数使用派」を公言している私ですが、この資格に関しては、そのテキストさえ無しなんです。

といいますのは、この一ツ橋書店の本がまず秀逸であると、私のリサーチでわかったのです。

ま、アマゾンのレビューですけど。

 

商工会議所から、ちょっとお高めな「ハンドブック」というものが刊行されていまして、このハンドブックから7割の問題が出るようなのですが、この一ツ橋書店の問題集は、それをうまく抜粋されていてわかりやすい問題の解説もあります。

 

ちなみに私がこの販売士2級の試験を受けて合格してから、次の回の試験で私の奥様もお受けになられたのです、この問題集のみを使って。

そうすると、私より少ない勉強時間で、合格されています!

 

今この本は、奥様の会社の従業員さんに貸し出していまして、手元にないです。

小売業なので、受験する人には受かってほしいと願う次第です。

追記:上記の一ツ橋書店の問題集、アマゾンで検索しても、令和4年版が出ていない模様です。同じ感じのものがTACから出ています。


販売士検定の受験者の属性と私なりにちょっと考察|独学で合格!

以下は、日本商工会議所のHPから引用しましたデータです。

直近の試験の受験者データになります。

この年の2級の合格率は60%でした。

合格率は、40%台の年もあれば60%後半の年もあります。

この資格は、リテールつまり小売業の人を主眼において、その販売活動において、能力向上を目指してほしいと主催者側も考えていると思うのです。名前からして。

しかし、下の表、一番右の合格率のデータが示す結果は、

日本商工会議所HPより

出典:日本商工会議所HPより販売士受験者の属性のデータ

「小売業」それに業態が近い「サービス・飲食業」の人の合格率が、残念なことに、低いのです。ともに60%

学生はまだ社会経験の少ない「高校生・専門学生」が、合格率を下げる要因になってして低いのは仕方のないことです。

しかし、「大学生・短大生」では、「小売業」「サービス飲食業」の人の合格率を上回っています。

その他、この表でわかることは、ともに小売業の人の合格率を上回っている「製造業」「卸売業」の人で、意外にも「製造業」の人が「卸売業」の人よりも高いのです。

個人客に向けて販売という行為から、遠い業種の「製造業」の人が、「小売」「サービス」そして「卸し」よりも、勉強しているというデータになります。

そして、小売業の中のデータでいいますとコンビニの従業員さんが、ダントツで、トップの合格率なのです。

コンビニ従業員の絵

コンビニ従業員の絵

たしかに、コンビニ業界から受験された人は少ないので、コンビニの人が全員、百貨店の人より、商売の基礎力があるとは言いません。

おそらくですが、コンビニ業界の商売に意識の高い人が受験されて、他の小売業種をおさえてトップになったのだと思います。なぜだか嬉しい気持ちです。

考えつくのはコンビニ業界の受験者が、コンビニオーナーさんが多かったのなら、従業員さんよりも経営に真剣ですから、成るべくして成ったデータなのかもしれないですけどね。

 

それにしても「一般小売業」の合格率の低さです…

「小売」の中では一番、受験者数が多いで、低くなりやすいのは分かります。

たぶん会社から受けてこい!と言われて「ヤラサレ感満載」で受ける人も多いのだろうと推測されます。

で、最後に、このデータが示す事実は、なんと人にビジネスを教える「コンサルタント業」の世界にいる人が、おそらく意識の高い系の「無職」の人に合格率で負けているということです。

この検定試験を受けたコンサルタント業の人で、この試験に落ちてしまった人はコンサルの先生ではなく、入社したての従業員さんであってほしいものですね。

 

販売士合格後に他の資格取得への広がり|独学で合格!

わたしたちはできる。

上で書いてきましたように、販売士の検定資格はビジネスの基礎・素養として大きな意味があります。これらの知識を得て、実践フィールドで活用されれば、今よりパワーアップした商売人になることでしょう!

そして、この販売士検定資格の次に絡めて取得できたらいいなと思う資格を考えますと、

  • 上でも書いた中小企業診断士(これを目指すならまず販売士1級からですかな。勉強時間に覚悟がいりますね)
  • ファイナンシャルプランナー
  • 簿記検定

などがあげられます。

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まぁそもそもほとんどの資格はなんらかのビジネスに関係していますので、この販売士でその基礎固めをしておくのは、それぞれのジャンルのご商売でも必ず有益になってくるだろうと思います!

私も時間的に落ち着いたら、販売士1級を目指します!

がんばってまいりましょう!

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