ビジネスを始める前に100冊読む⑧

ミーと本あいさつ・雑記

このほど、宅建士になるための登録実務講習が終わり、

今度は、社労士になるための事務指定講習に着手し始めました。

事務指定講習は開始前どのように進めていくのかが不安でしたが、ツイッターでの先行する人のご意見や、ネットの労務関係会社のブログ、そして厚生労働省の記入例などを見てどうにか「こなせそう」と思った次第です。

5月中に提出する時間的猶予と自分の課題の進捗状況を見て「できる(だろう)」といった感じです。

敵、この場合事務指定講習の課題の内容と期日を知ることで、他のタスクへの意識の分散がようやくでき始めました。

敵を知り己を知れば百戦危うからずとなればいいなと思います。

というわけで、ながらく中断していた「100冊読む」を再開したいと思います。

士業の実務的な勉強はとりあえずその事務指定講習にまかせるとして、今回の三冊も私の「人を知る修行」的なことに関する本になります。

クレーム対応最強の話しかた|山下由美|ダイヤモンド社

著者の山下さんは、役所勤務で辛いクレーム対応に当たられてきて、その解決策のためにご自分で勉強されました。現在はセミナーなどで、そこで培った経験とノウハウを教えておられる人です。

究極的にはお客様に「そうなんです!」と言わせることでそのクレームはほぼ解決したも同然になるとのことです。

「そうなんです」と言っていただくということは、まずこちらが聞き手になって相手を分析して、相手の望む言葉を与える。

そうすると「そうなんだよ」という相互理解になっていくという展開になります。

大学の研究や実験で得られた心理学ではなく、市井の実践で得られた価値あるものを教えてくれています。

著者はクレームをつけてくるお客様を8つのタイプに分類して、その対処法を書いています。

1、初めから怒鳴る

2、途中でキレる

3、理詰め

4、自分が正しいと主張

5、見当違い

6、水掛け論

7、多人数

8、シニア

まあ、これらはきっちり分類されるものではなく、多くは複合しているのでしょうけど、心構えとして知っているか知らないかで、あとの痛手の量はずいぶん変わってくると思われます。

この8つの人たちは、基本的に、承認欲求が満たされてない・寂しいなどを心に持っているので、そのあたりを慰撫することが肝要な話法になってきます。

あとは、土下座強要や過度な金銭要求などのすでに犯罪行為をする悪質クレーマーに対しては「できない」「突っぱねる」という態度も必要だということです。

企業の営利活動と諸条件を考えて、この悪質クレーマーを今後お客様としてとらえられるかどうか、無理です!と拒否姿勢を貫くのか、どっちが得か一目瞭然のときは、切り捨てる勇気も重要な行動ですね。

士業の仕事のお客様は法人の代表者や責任者が多くなろうかと思いますが、そういう人間の中にも、どうしてもクレーマー気質の人間はいます。

上記の8パターンの「わかってくれよ」的クレームをする人なのか、過度な金銭要求をする悪質クレーマー気質に変化してしまったのかを判断して対応する決断をすることもあるだろうなあと思いました。

説得の戦略交渉心理学入門|荘司雅彦|ディスカバー携書

こちらの著者は、銀行で勤めた後弁護士になられた荘司先生が書かれています。

交渉するのがメインの仕事の弁護士でいらっしゃいます。

その点が強く出されているのかなと思いましたが、心理学上人間とはこう考えて、こう行動するという、心理学の定説を、ご自分の経験や見識を交えて解説しています。

この本のいいところは、まず、題目があって、ポイントで結論を挙げてその理由を解説して、事例を挙げて、そして最後にエビデンスとして結論を振り返るPREP法で書かれています。なので読みやすいのです。

P=ポイント=結論

R=リーズン=理由

E=エグザンプル=事例

P=再ポイント=結論

ですね。

内容は「100冊読む」の一番最初に紹介した「ビジネス心理学100本ノック」に近いです。

人間がモノを考えたり決めたりするときに陥りやすい癖を意識するかどうか、対人的にはその癖を利用して交渉を有利に進めていくことが書かれています。決して悪意をもって人間を操作という書き方ではなくて、あくまでも人間の行動はこうだから「こう返せばきっと丸く収まる、うまくいく」的な内容になっています。

当然、自らの言動がバイアスに陥っていないかを振り返ることもできますので、有用な内容の本でした。

労基署は見ている。|原論|日経プレミアシリーズ

こちらは労働基準監督官として活躍されたあと、社労士になられた原先生が書かれた本になります。

現在は、元「労基署の中の人」を生かして、企業へのセミナーなども精力的に活動されて、労基法、安衛法の普及に努めておられるようです。

労働基準監督官として実際に当たってきた事例をドラマ形式で書かれていますので、一般の人が読んでも読みやすいと思います。

労働基準監督署がどういう構成をしていて、どういう組織なのかも垣間見れます。

ご存じのように、労働基準監督官は、司法警察員として警察権も与えられています。

何度言っても、法令を守らない悪質な事業者に「伝家の宝刀の警察権」を抜いたり抜かなかったりがあるようです。

つまり、その監督官の仕事に対する姿勢というものが書かれていて、興味深いですが、人員が足りていないなら国家として、この労働犯罪を取り締まる人員を増やして、それぞれの監督官が摘発しやすい環境になればいいのに、とも思いました。

この本は、社労士界隈の人だけでなく、現在労働トラブルを抱えている使用者、労働者ともに、一読すればかなり有益な心構えができるのではないかなと思います。

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