この記事は、例年8月下旬に行われる社労士資格試験に初めて受験を考えている人に向けて書いております。
この記事を書いた意図は、私が社会保険労務士試験の独学初学者として取ってきた勉強方法や購入した書籍、そして私自身がこの試験に臨むにあたり、弱かった部分・出来なかった部分を参考にしてもらって、今後のご自分の勉強スタイルを確立していただければと思っています。
独学・初学で社労士試験を受けると決めたなら
一応、難関国家資格と言われる試験です。その道が、険しいのは何となくわかっておられると思いますが、その険しさの全体像が、初めて対峙する素人にはわからないのです。
この場合、敵とはもちろん社労士試験そのものの内容と置かれている環境、己はご自身ですよね。
私は、社労士試験を通して最終的には、己を律することが中途半端であったので、今ボーダーライン上で結果待ちという危うい立場にいます。
(追記:そのボーダーライン上の択一44点で辛うじて合格していました!)
ちなみに、この孫子の句の最後には「敵を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危し」と書いてあります。つまり、毎回負けると。
ですので、闇雲に始めるのではなくこの社労士試験の攻略法を先に考えて、かつ、ご自分の気質・環境を整えることが大切になってきます。
この社労士試験に限らず難しい資格試験は、どのような内容の試験で、どのような勉強をしなければならないのかを先に把握しないと、前に進んでも苦労が多くなると思います。
独学初学者は一つの科目に時間をかけ過ぎないように|社労士試験
社労士試験で具体的に出題される法律や、時間配分・点数配分などはネットで検索したりテキストの初めの方にだいたい表にして書いてありますので、ご自分で調べていただきまして、ここでは割愛いたしますね。
初学者の人には、その社労士試験で出題される法律群とその変則的な組み合わせに慣れるのにも、少々手間取ることがあると思います。
初めは私もそうでした。でも、やっていればすぐに慣れますので大丈夫ですよ。
独学初学者の人は、予備校に通っている人と違って自分から情報を取りに行き、そして、マユツバ情報・金言情報を取捨選択して、ご自分に合う合わないを試行錯誤しながら、勉強スタイルを構築していかなければなりません。
その玉石混淆の情報は、初学者向けの本・マンガ本・ブログ・ユーチューブで集めることが出来ます。
それと、「この試験に受かる人と落ちてしまう人の差はなんだろうか」、そして「自分の今の立ち位置や勉強の進捗状況はどうなんだろうか」と、ときおり自問自答することは正しいことだと思います。
そして、「どのように勉強を進めていったらいいのだろうか?」と思案されると思います。
私から確実に言えることは、すでに試験を受けてこられた人やユーチューブでの予備校講師の意見も総合しますと、このテストの本質の一つは不得意科目を作らないこと、ということになります。
資格予備校では、進捗状況や理解度を試すミニテストなどのイベントが、途中途中であるようですが、
独学初学者は自分で進捗状況を確認しつつ、勉強の歩みを進めていかなければなりません。
ご自分の仕事、生活サイクルや試験に掛けられるお金でも、その歩幅は違ってくるでしょう。
私自身も軌道修正を何回もしました。
「これで行こう」と決めたことが、あとあと「う~ん、なんか違うみたい」ということがあったのです。でも、ご自分に合うように修正していけばいいんです!
この試験は、一つの法律に偏って時間を割いたり、施行規則の深いところまで拘るのは、テストでまんべんなく点数を取ることに着眼すれば、絶対にやらないほうがいいです。
2度目、3度目の受験者の方は、基礎・応用が出来ておられて、もう一歩及ばずの方が多いでしょうから、そういう深掘りの勉強もいいのかもしれません。(私は、試験に受かることに専念するのならば、その深掘りも危険かなと思ったりもします。細かい知識を知っているという自負は慢心に繋がるのです)
また、それらのことに初学者が手を出すと、他の科目に勉強に回す時間がなくなってしまいます。ただでさえ直前期には、やらなければならないことが目白押しなのです。
この社労士試験は基本事項だけでも膨大です。
もしかすると、基本事項だけでも完ぺきに押さえたら本番で6割以上の点数が取れる可能性はあるとかないとかです。(100%覚えたら100%受かるとは言い切れませんけど)
かくいう私は、実は一つのことに時間を割いたり、気になることに拘ったりしがちな性格でしたので、このテストに受かるために自らに「一つの科目でやり過ぎ注意!」を言い聞かせていました。時間を区切って、やっていた勉強を強制終了するくらいじゃないと網羅的に学習できないのです。
拘ると言えば、私は労働法の判例は、嫌いではないです。
読んでいて面白いと言いますか、人生ドラマが凝縮されているなぁと感じるといいますか。
でも、労働法の判例などは、拘りだすと時間がいくらあっても足りませんし、覚えきれるものでもありません。
重要判例は、市販の社労士Vの特集物や、無敵の社労士3、LECの直前予想模試に、まとめて書いてあります。
私は、これらを繰り返し読むことをしました。
この三冊では、重なっている判例もありますが、そうでないものもあります。
つまり重なっている判例が「最重要」であることがわかります。大手の各社が「これは重要」と思って、判例特集の書籍に乗せているわけですからね。
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でも、残念ながら、これらに載っていない判例も出るときもあるのです。
2020年の試験で言えば、選択式の問1の2のBとCです。
私はかろうじてB・Cとも正解でしたが、こればかりは最終的には、社労士試験の勉強を通じてそれまでに養ってきた労働法のカンで解くしかなかったと思います。
初見の判例問題が怖いと思う人は「最新重要判例200労働法」というのがあります。
実務者も読んでお使いになるようですね。
これなら、判例問題に対応できる場合が多いのではないと思います。
試験に出る出ないの約束は出来ませんけど。
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多くの男性受験生もそうみたいなのですが、私は労基・安衛は、性分的にとっつきやすく、社会保険に比べて、理解度も早かったのです。
今まで生きてきた中で、やはり労基法に違反する場面はたくさん見てきましたので、そのことによって吸収が早いのだろうと思います。
まあ、もっと大きな理由が、保険的なモノの数字を覚えるのがあんまり得意でないということがあります。
しかしですね、私は、
- 本番のテストでは、労基・安衛、択一では6点です。
- 一番苦手意識のあった厚生年金も、択一で6点です。
- 同じ点数でしたw
ですので、相性がいい科目だからと言って、たくさん勉強しても苦手だなあと思っている科目と、蓋を開けてみると同じ点数ということもあり得ますから、気の合う科目はほどほどに、気の合わなそうな科目と、早めにお友達になって仲良くするのが、合格ラインへの近道だと思います。
社労士試験の独学初学者がおろそかにしやすい科目
はじめて、社労士試験と対峙する独学初学者が、どのように対応していけばいいのか悩むのが、以下の科目だろうと思います。私もそうでした。
そもそも、これらの科目は、市販のテキストでも後ろの方に乗っています。
予備校の進捗に準じたもの、たとえば、大原の社労士24もそうですし、社労士Vや月刊社労士受験などの雑誌系も、月々送られてくるものでは後の方になります。
これらの載っている内容の本が手元に全部そろうのは、年が明けて春以降になると思います。
「TACの過去10」のように毎年売れている市販のものは、全部の科目がいっぺんに手に入りやすいですが、予備校関係のものはいっぺんにテキストが送られてくるわけではないのです。
こういった教材の配達の背景・都合がありますので、たぶん初学者で春ごろまでに、一通りを全科目を回した人は少ないと思います。
ユーチューブでどなたか忘れましたが「初学者がつまづきやすいこと」として動画を出されていました。
それは、社会保険、特に年金に、初学者は取り掛かるのがあまりにも遅くなり、また、とっつきにくい科目でもあり、満足な理解が出来ないままテストを迎えてしまう!ということでした。
「足切りのギリギリの点数の国民年金」だった私は、このことをすでにこの人に教えてもらって、判ったつもりでいたのに、その同じ轍を踏んでしまいましたw
なぜならやはり、年金には苦手意識があったからです。
そして、ある程度、仕組みや数字を覚えるまでは時間が掛かり、とても難解に感じてしまいます。
私は対策として、市販のTACの「過去10」という過去問題集を、大原の「社労士24」に先行して購入していました。
ちなみに、前年の12/30に健康保険法に着手しています。
本のチェック欄以外に日付を書いていましたので、とりあえず読んだという印をつけていました。
ちなみに、私は今年の社労士試験はボーダーライン上の択一44点でしたので、もし、ダメだった場合は、この過去10は早急に購入する予定です。
(ギリギリ受かってましたので購入はしなくて済みました)
この「過去10シリーズ」解説が他社に比べてたくさんかつ分かりやすく載っている感じがします。
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この「過去10」シリーズは、本番の試験が終わったらすぐの11月くらいに、新しい来年度版がでるのが、すごくいいところですよね。
とくに、独学で初学者には、どんな問題の傾向がある試験なのかを掴むことが出来ます。
近くに大きな本屋さんがあるのなら、とりあえず、パラパラと中身を見に行くのも、良いかもですね!
社労士試験の勉強方法がわからない
また、科目に対する時間配分がわからない、仕事や家事でまとまった時間が取れない、などの人は、始めから「教えるプロ」を頼るのもいいかもしれません
資格の大原(PR)
私は他のブログ記事で書いていますが、確かに独学ではありますけど、資格の大原の社労士試験対策の「社労士24」という、パワーポイント的な教材を購入して勉強していました。
ユーモアのある語呂合わせで人気の金沢先生の軽快な講義です。
内容は24時間で一周することをコンセプトにしていますから、試験内容を100%を網羅しているとはいえませんが、でも100%覚える必要はありませんし、わたしの脳ミソでは無理でしたでしょう。
市販のテキストなどに比べるとお高い約8万円でしたが、他の講座にくらべると断然安いです。(直前対策をプラスしたものは128,000円)
社労士試験に定評のある大原では、通学から、直前対策・模試まで、個人の立場にあったバリエーション豊かな講座を区分けして提供していますね。
スタディング(PR)
スキマ時間の活用を掲げて、既存の資格学校より安価な、WEBの講座に特化しているスタディングは、忙しい環境に置かれながらも社労士試験に挑戦する人にとっては、強い味方になると思います。
直前対策と模試がついている「社労士合格コース フル」は、大原の「社労士24+直前対策(12800円)」と比較検討ですね!
WEB講座は、繰り返し何度でも聞けることがメリット大です。人間の記憶は、接触回数で忘却曲線の低下をいかに下げないか、ですからね。
大原もスタディングも、すでに来年の2025年に向けたWEB講座です。来年の栄冠を勝ち取るために、早め早めに動き出した方がベターだと思います!
最後に|独学で社労士試験を受ける前に全体像を知ることの重要性
脅かすわけではないのですが、現実問題として、
それらの勉強のあとに、細かい法律が20法律ほどある労一・社一の法規を覚えて、
そして雲をつかむような白書統計をこなしていくことになります。
選択式対策として、社会保障の沿革つまり年表もあります。
一体、何万文字を目で追わなければならないのでしょうかw
ですので、なるだけ渋滞しないために、年内からこれらの科目の「基本のキ」はあっさりでもいいですから、始めておいた方が賢明です。
初めは訳が分からなくて辛い日々が続きますが、いつかきっと頭に馴染んでくるはずです!
はじめは、ヒョロヒョロの枝のような細い幹だったとしても、うまく育てれば太くたくましくすることはできます。でも、それにはやっぱりある程度の時間は掛かりますよね。