来年、社労士試験を考えている人、または、今年社労士試験が初受験で思うように勉強が捗らなかった人に向けて、私の個人的な意見としての勉強法を書いていきたいと思います。
これは私の失敗、もしくは、至らなかった部分の反省からきていることでもあります。
また、その人の勉強時間の確保量にも拠ると思いますが、独学でなくても、初めての受験ではなくても、社労士試験を受ける人は、これからの勉強方法に一考を加えて頂くといいかもしれません。
社労士試験 今の時期から外堀を埋めにいく
勉強法、それは、
になります。
前回の記事で、初学者は春先以降に、やることが目白押しになる話をしました。

はやめに、ボリュームのある社会保険科目に着手するべきだとも書きました。
というのは、健康保険・年金の社会保険科目をやっつけながら、労一、社一の法令科目、さらに白書統計、そして模試と、やるべきことのスケジュールが、後ろの方で「てんこ盛り」になってくるからです。
目白押しに、てんこ盛りです。
さらに困ったことには、このころには、労働科目の細かいことを忘れている人も多いと思います。
これらは、個別個別で、各個撃破の対応がしやすいです。難しくもないです。
一つ一つも、本丸の科目本体に比べたら、規模も大きくありません。
判例とは、文字のままの、裁判の例になります。
判例は、労働者と使用者が労働に関して揉めたとき、条文には細かいことまで定めていなかったので、最高裁判所での判決が、その当該事件と、後々の事件を判断する際の材料になるものです。
判例に初めて触れる人には「事件」ってオーバーな感じがするかもしれませんね。
あくまでも労働裁判ですが、刑事じゃなくても「事件」ってつけられるみたいなのです。
それと、労使が揉めて、裁判になったら、基本的に会社名が事件名になっています。おそらく永久的に残ります。
仮に会社側が、裁判に勝っても、残ります。
これって、結構、会社とすれば、不名誉な事なのかもしれませんね。
判例は人間ドラマである

「よく、(そのことを)最高裁まで持っていったのね」と、変な感心することもあります。
客観的に私から見て、
労働者に対して「それは権利の主張のしすぎだろ」と思うもの(時事通信社事件)
使用者に対して「それでは、可哀そうじゃないか」と思うもの(大日本印刷事件)
などもあります。
実際の裁判の当事者たちは、人生や社運をかけた大一番に違いありません。
こういう人や会社たちのおかげで、裁判例が積み上がっていき、社会の他の人たちの、働きやすい環境が整っていくんだということでもあります。
怠けて仕事する従業員に残業を指示したら、従わずに帰ったので懲戒にしたら、その懲戒は無効と怠けた従業員が言ってきても、最終的には残業をする義務があるとしたり(日立製作所武蔵野工場事件)、
生理休暇の不明瞭な請求が多くて困った会社(嘘で休んで、会合に行ったりしていた)が、生理休暇は賃金の68%とすると決めると、従業員が不満に思って最高裁まで行ったけど、会社の主張が通ったり(タケダシステム事件)。ちなみに生理休暇では、賃金を払わなくてもよいという判例もあるみたいです(エヌ・ビー・シー工業事件)。
一方では、電通事件みたいに、近い期間で2回も同じ悲劇が起こったことで、「労働時間の上限規制」につながっていったということもあります。
私見ですが、こういう悲劇は、法規制によって、「社会」や、「会社」の体質を変えるのも必要ですが、日本に蔓延する上司のいじめ体質にも、切り込まないと、治らないような気がします。
日本はどうも、組織の体質に責任を追及しがち(ま、当然改革も必要です)で実効性が甘くなりやすく、いじめ体質の人間への対応が、さらに、ものすごく甘いような気がします。
会社での大人のいじめは、ほぼ、暴行、傷害もありますから、刑事罰をあたえるべきで、加害者には、民事・刑事・社会的罰を与える社会的気風が、もっとあってもいいのではないかと、個人的には思います。
話は飛びましたが、
裁判所は、当たり前ですが、公平で、「是々非々」で判断するということを知っておくと、判例問題を解くうえでのヒントになると思います。
法律に書いてあるからと言って、労働者の主張が認められないケースもあるし、
会社には、客観的で合理的で社会通念上相当であることが、求められます。
社労士試験に出される判例とは
最高裁の判例自体は、膨大な量がありますが、社労士試験では、
直近のものは、何が出されるかは当然分からないですから、手を広げようがありません。
この外堀作戦では、過去に出されたものを、早めに知っておくということです。
実際、社労士試験で、判例に関する問題が出されるのは、
たしかに、僅かな割合ですが、社労士試験は足切りがありますので、これで合否をわけることも十分あり得ます。
ですので、早め早めに、触れておくのが良いと思います。
私が使った教材としては、
です。
しかし、ネットの判例解説以外は、社労士Vで4月、その他は、5月くらいで手に入れることになります。
もちろん、それまでに、やってきたテキストの中や、過去問の中にでも、判例は出ています。
そこは是非、その都度、当たっておきましょう。
たしかに、こういう細かいところを、いちいち見ていたら時間がすぐに経過してしまいますが、時間のある今のうちに、やっておく方が良いのです。
私が、使った社労士V、TACの無敵、LECの模試の特集で、重なって載せてあるものがいくつかあります。
つまりは、各社の、社労士受験の専門の研究している会社・先生が、その出版物で重なってあげているということは、超基本であるということになろうかと思います。
古いモノでも今のうちに手に入れて、どんなものかを把握しておくのが良いです。
だだしですね、繰り返し出されてきたのは事実ですが、本番の試験に出るかどうかは分かりません。
でも、試験当局が、出すのが好きな判例というのは存在していると思います。
社労士試験の判例対策
では、具体的にどうしてきたのかをお話しするととにかく「読む」というのが基本になります。
1、概要を読んで、どういう揉め事なのかを覚えてます。ストーリーですね。
選択式ではキーワードが抜かれたり、択一式ではその判旨とあっているかの正誤を聞かれます。すべてのキーワードをおぼえることは不可能ですので、判旨の流れを押さえておくと、抜かれたときにそれに適合する言葉が、選びやすくなります。
始めは、細かいことまで覚える必要はないとおもいます。
繰り返し読んで行けば、事件の概要がわかって、労使のどっちが、どんなふうに勝ったのか、負けたのかがわかってきます。
次第に、過去問を解いて、なんとなく覚えたキーワードを絡めて、相乗効果も出てきます。